施工管理の資格一覧!取得メリットと難易度、おすすめ資格を徹底解説!

公開日:2025/11/14 最終更新日:2025/11/14

施工管理の資格一覧!取得メリットと難易度、おすすめ資格を徹底解説!
施工管理技士の資格は、専門知識や技術力を証明し、年収アップやより責任のある立場へのステップアップに繋がる重要な鍵です。
しかし、一言で施工管理技士と言っても、その種類は多岐にわたります。この記事では、施工管理技士の資格について、種類や特徴を解説します。

施工管理技士とは?

建設プロジェクトを円滑に進め、品質の高い建造物を完成させるためには、施工管理技士の存在が不可欠です。彼らは工事現場の司令塔として、工程、品質、安全、原価といった多岐にわたる管理業務を担います。このセクションでは、施工管理の基本的な仕事内容と、なぜ資格が重要視されるのかを解説します。

施工管理の仕事内容と役割を再確認

施工管理の主な仕事は、「4大管理」と呼ばれる工程管理、品質管理、安全管理、原価管理です。
工程管理では、計画通りに工事が進むようスケジュール調整や進捗確認を行います。品質管理では、設計図書に基づいた品質基準を満たすよう、使用材料のチェックや施工状況の検査を実施します。
安全管理は、作業員が安全に働ける環境を整備し、事故を未然に防ぐための重要な業務です。そして原価管理では、予算内で工事を完了させるために、資材費や人件費などのコストを管理します。
これらの管理業務を通じて、施工管理技士は発注者、設計者、作業員など多くの関係者と連携し、プロジェクト全体を統括する役割を果たします。

なぜ施工管理に資格が重要なのか

施工管理の業務を行う上で、資格は非常に重要な意味を持ちます。建設業法では、一定規模以上の工事現場には、主任技術者や監理技術者といった有資格者の配置が義務付けられています。これらの技術者になるためには、施工管理技士の資格が必須となる場合がほとんどです。
資格を持つことは、個人の技術力や知識を客観的に証明するだけでなく、所属する企業にとっても経営事項審査(経審)での加点に繋がり、公共工事の受注機会拡大といったメリットがあります。
また、資格手当が支給されたり、昇進・昇給の条件となったりすることも多く、キャリアアップを目指す上で強力な武器となります。このように、施工管理技士の資格は、法的要求、企業の競争力強化、そして個人のキャリア形成の観点から極めて重要です。
(参考:国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル」, P.2,「(2)建設業法における監理技術者等」, 令和7年2月1日, 001859191.pdf)

施工管理技士の資格一覧!全7種類を徹底解説

施工管理技士の資格は、専門とする工事分野によって7種類に分かれており、それぞれに1級と2級があります。1級は大規模な工事の監理技術者として、2級は中規模以下の工事の主任技術者や1級の補佐として活躍できます。ここでは、各資格の概要と対象となる工事分野について解説します。
資格種類 主な対象工事
建築施工管理技士 建築一式工事(新築、増改築、改修など)
土木施工管理技士 土木一式工事(道路、橋梁、トンネル、ダム、河川、上下水道、造成など)
電気工事施工管理技士 電気工事(発電設備、送配電線、照明設備、信号設備など)
管工事施工管理技士 管工事(冷暖房設備、空調設備、給排水設備、ガス管配管など)
造園施工管理技士 造園工事(公園、緑地、庭園、植栽、景石、広場、道路緑化など)
建設機械施工管理技士 建設機械を用いた施工(掘削、積込み、運搬、締固めなど)
電気通信工事施工管理技士 電気通信工事(有線・無線通信設備、放送設備、データ通信設備、情報処理設備など)

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建築施工管理技士(1級・2級)

建築施工管理技士は、オフィスビル、マンション、商業施設、学校、病院といった様々な建築物の新築、増改築、改修工事において、施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理などを担当します。1級は特定建設業の営業所に置かれる専任技術者や監理技術者として、2級は一般建設業の営業所の専任技術者や主任技術者として活躍できます。建築物の規模や構造が多様化する中で、高度な専門知識と技術が求められる資格です。

土木施工管理技士(1級・2級)

土木施工管理技士は、道路、橋梁、トンネル、ダム、河川、上下水道、造成といった社会インフラの整備に不可欠な資格です。工事規模が大きく、自然条件の影響も受けやすいため、測量技術、土質・地盤の知識、コンクリート工学など幅広い専門性が要求されます。公共事業が多く、安定した需要があるのが特徴です。1級は大規模な土木工事の監理技術者、2級は主任技術者としての役割を担います。

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電気工事施工管理技士(1級・2級)

電気工事施工管理技士は、発電設備、送配電線路、ビルや工場の受変電設備、照明設備、信号設備など、あらゆる電気設備の工事に関わる専門家です。近年では、再生可能エネルギー関連設備の需要も高まっています。電気は目に見えないエネルギーを扱うため、特に安全管理が重要視されます。1級は大規模な電気工事の監理技術者、2級は主任技術者として、電気設備の安全かつ確実な施工を監督します。

管工事施工管理技士(1級・2級)

管工事施工管理技士は、ビルや住宅の冷暖房設備、空調換気設備、給排水給湯設備、ガス配管、ダクト工事など、管を用いた設備の設置・改修工事を管理します。人々の快適な生活環境や産業活動を支える重要な役割を担い、省エネルギー化や環境配慮型の設備導入など、新しい技術への対応も求められます。1級は大規模な管工事の監理技術者、2級は主任技術者として専門性を発揮します。

造園施工管理技士(1級・2級)

造園施工管理技士は、公園、緑地、庭園、遊園地、道路緑化、宅地造成に伴う植栽工事など、緑豊かな環境づくりに関わる専門家です。植物や景石、水景といった自然素材を扱う知識に加え、土壌、排水、土木構造物に関する知識も必要とされます。美観だけでなく、生態系保全や防災機能といった多面的な役割が期待される分野です。1級は大規模な造園工事の監理技術者、2級は主任技術者として活躍します。

建設機械施工管理技士(1級・2級)

建設機械施工管理技士は、ブルドーザー、油圧ショベル、クレーン、杭打ち機といった建設機械を用いた施工計画の立案、機械の選定・配置、運転・整備の指導、安全管理などを担当します。他の施工管理技士資格とは異なり、施工「機械」に特化した専門性を持つのが特徴です。1級は第1種から第6種までの全ての建設機械作業、2級は選択した種別の建設機械作業の施工管理が可能です。

電気通信工事施工管理技士(1級・2級)

電気通信工事施工管理技士は、インターネット回線、携帯電話基地局、放送設備、LAN設備、情報表示設備、防犯カメラ設備など、情報通信インフラの構築・整備に関わる資格です。情報化社会の進展に伴い、重要性がますます高まっています。技術革新が速い分野であるため、常に最新の知識・技術を習得する意欲が求められます。1級は大規模な電気通信工事の監理技術者、2級は主任技術者として活躍します。

施工管理技士資格を取得する5つの大きなメリット

施工管理技士の資格を取得することは、個人のキャリアにとって多くのメリットをもたらします。ここでは、代表的な5つのメリットについて具体的に解説します。これらのメリットを理解することで、資格取得へのモチベーションが高まるでしょう。

メリット1:年収アップとキャリアアップに直結

資格を取得することで、多くの企業では資格手当が支給されます。また、1級施工管理技士の資格は、より大規模で責任のあるプロジェクトを任される監理技術者への道を開き、これが昇進や基本給のアップに繋がることが多いです。資格は自身のスキルを客観的に証明するものであり、年収アップやキャリアアップへの重要なステップとなります。
企業にとって、有資格者の数は経営事項審査(経審)の評点に影響し、公共工事の入札参加資格や受注ランクに関わってきます。そのため、企業は資格取得を奨励しています。

メリット2:転職市場での価値向上と選択肢拡大

施工管理技士の資格は、建設業界において非常に需要が高く、特に1級資格保有者は引く手あまたです。資格を持つことで、より条件の良い企業への転職や、専門性を活かせる多様な求人への応募が可能になります。建設業界は常に人手不足の傾向にあり、有資格者は即戦力として期待されるため、転職活動を有利に進めることができるでしょう。

メリット3:主任技術者・監理技術者になれる

建設業法により、建設工事現場には主任技術者や監理技術者の配置が義務付けられています。2級施工管理技士は主任技術者(一部工事では監理技術者の補佐も可)、1級施工管理技士は監理技術者および主任技術者になるための国家資格です。これらの役職に就くことで、より大きな責任と権限を持って工事を指揮することができ、キャリアの幅が大きく広がります。
下表は、主任技術者と監理技術者の配置が必要となる工事の一般的な条件です。
役職 必要な工事の条件(元請の場合) 必要な資格(例)
主任技術者 全ての建設工事(下請契約の請負代金額が4,500万円(建築一式工事は7,000万円)未満の場合は不要な場合あり) 2級施工管理技士、1級施工管理技士、実務経験など
主任技術者 全ての建設工事(下請契約の請負代金額が4,500万円(建築一式工事は7,000万円)未満の場合は不要な場合あり) 2級施工管理技士、1級施工管理技士、実務経験など
監理技術者 特定建設業者が元請として、下請契約の請負代金の合計額が4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上となる工事 1級施工管理技士など
(参考:国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル」, P.2,「(2)建設業法における監理技術者等」, 令和7年2月1日, 001859191.pdf)

メリット4:独立開業の道も開ける可能性

1級または2級施工管理技士の資格を持ち、一定の実務経験を積むことで、建設業の許可を取得し、独立開業することも可能です。一般建設業の許可を受けるためには、営業所に専任技術者を置く必要があり、施工管理技士の資格はその要件を満たします。自身の裁量で仕事を進めたい、より大きな収益を目指したいと考える方にとっては、選択肢のひとつとなるでしょう。

施工管理技士資格の難易度と合格率の目安

1級と2級それぞれの難易度と、試験の構成について解説します。

1級施工管理技士の難易度と傾向

1級施工管理技士の試験は、広範囲な専門知識と高度な応用能力、そして豊富な実務経験に基づく記述能力が求められます。
学科試験の合格率は例年40%~60%程度、実地試験の合格率は30%~50%程度で推移しています。両方の試験に合格して初めて資格取得となるため、最終的な合格率はさらに低くなります。十分な学習時間と計画的な対策が必要です。

2級施工管理技士の難易度と傾向

2級施工管理技士の試験は、1級と比較すると基本的な知識や技術が問われる内容が中心となります。
学科試験の合格率は例年50%~70%程度、実地試験の合格率は30%~60%程度で、1級よりも高い傾向にあります。しかし、油断は禁物で、実務経験が浅い方や学習時間が十分に取れない方にとっては、決して簡単な試験ではありません。基礎を固め、過去問を中心に学習することが重要です。

学科試験と実地試験の違いを理解する

施工管理技士の試験は、「学科試験」と「実地試験」の2段階で構成されています(建設機械施工管理技士は「学科試験」と「実技試験」)。 学科試験は、マークシート方式で、各専門分野の技術的な知識や関連法規などが問われます。広範囲から出題されるため、網羅的な学習が必要です。 実地試験は、記述式で、実際の施工管理業務における経験や判断力、応用力が問われます。特に施工経験記述は配点が高く、合否を左右する重要なポイントです。そのため、過去の経験を整理し、的確な文章で表現する練習が不可欠となります。

まとめ

施工管理技士の全7種類の資格について、各資格の詳細を解説しました。
施工管理技士の資格は、建設業界で働く上で自身の専門性を証明し、キャリアアップを実現するための強力なパスポートとなります。
ご自身の経験や将来の目標に合わせて最適な資格を選び、計画的に学習を進めることで、資格取得への道は開けるはずです。

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