1級土木施工管理技士の取得方法!キャリアパスや合格率、資格取得のメリットを解説!


1級土木施工管理技士とは?

1級土木施工管理技士は、土木工事の施工管理を行う上で必要とされる国家資格の1つです。土木施工管理技士は、建設業界において非常に重要な役割を担っており、請負金額に制限がないため、大規模な工事を担当することができる特権を持ちます。この資格を取得することで、大規模な土木工事の現場管理者として活躍することができ、キャリアアップに直結します。その需要は年々高まっています。

1級土木施工管理技士の仕事内容と役割

1級土木施工管理技士の主な仕事内容は、施工計画の立案、現場の安全管理、品質管理、コスト管理など多岐にわたります。例えば、施工計画の立案では、施工計画書を作成し、工程管理を行うことでプロジェクトを円滑に進めることが求められます。ダムや道路、上下水道の工事や復旧・復旧工事など多岐にわたり、品質や安全管理、住民への説明なども含まれます。現場での業務に加えて、天候やその他の要因によるマネジメントも求められるため、非常に多忙な職業です。

1級土木施工管理技士がきついと言われる理由は?

1級土木施工管理技士の仕事は、高い責任専門知識が求められるため、「きつい」と言われることがあります。その理由として挙げられるのは、労働時間の長さ、責任の重さ、資格試験の難易度の3点です。例えば、工事現場では、早朝から夜遅くまで作業が続くことがあり、労働時間が長くなることが多いです。また、現場全体を管理する立場であるため、事故や工期遅延が発生した場合には重大な責任を負うことになります。さらに、資格取得には多くの勉強時間が必要であり、実務との両立が難しい場合もあります。 しかし、これらの課題を克服することで、キャリアの飛躍が期待でき、より高い目標を目指すことが可能です。

1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士の違い

1級と2級の土木施工管理技士の違いは、対象工事の規模や役割、試験の難易度にあります。1級は金額の制限がなく大規模工事の現場全体を管理する「監理技術者」となることができます。
一方で、2級は請負代金の額の合計が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の施工管理・監督業務は出来ず、請負金額が4,500万円以下の工事現場に配置が必須となる「主任技術者」となることができます。
1級の試験は難易度が高く、合格するためにはより専門的な知識と経験が必要とされますが、より大規模な工事に携わることが可能です。


主任技術者とは、全ての工事現場への配置が定められている施工の管理・監督業務を行う人のことを指し、1級と2級、どちらの資格でも対応が出来ます。
監理技術者とは、発注者から直接工事を請け負い、請負金額の合計が4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)の工事の場合に、主任技術者に代わって配置が定められている施工の管理・監督を行う人のことです。こちらは1級資格のみ対応が出来ます。
近い役割に、現場代理人という職種もあります。こちらは公共工事や大規模な民間工事への配置が定められていて、工事全体の統括や、請負代金の請求なども行います。現場代理人は、法律上必要資格は定められておりませんが、主任技術者や監理技術者が現場代理人を兼ねていることが多いです。


POINT! 2025年2月~監理技術者配置を求める金額要件が変更
2024年12月6日に閣議決定された法改正で、上記で説明した監理技術者を配置しなければならない工事規模が変更になりました。2025年2月以降は、請負代金の額の合計が5,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上の場合に監理技術者の配置が必要となります。
近年の物価や人件費の高騰による建設工事費の高騰を踏まえ、見直されました。

1級土木施工管理技士の市場価値

1級土木施工管理技士は建設業界で非常に高い市場価値を持ちます。資格の取得条件の多さや合格率の低さから建築業界においては、非常に価値の高い資格の1つです。資格を持つことで管理職への昇進や役職者としての抜擢が期待され、転職市場でも有利な条件を得られる可能性が高まります。また、建設業界は高齢化が進んでおり、次世代の人材が求められています。




グラフ出典:建設産業の現状と課題/国土交通省
グラフの通り建設業就業者は55歳以上が34%を占めています。さらに、29歳未満は11%程度と次世代への技術継承が課題になっています。
1級土木施工管理技士の需要は今後も続くと予想され、更には将来的にもますます必要とされる職業となるでしょう。

1級土木施工管理技士の年収

1級土木施工管理技士の年収は450万円から700万円程度とされており、2級土木施工管理技士よりも高い給与を期待できます。2級土木施工管理技士は1級土木施工管理技士に比べて業務の幅が狭まるため、年収は300~600万円程度です。

1級土木施工管理技士のキャリアパス

1級土木施工管理技士のキャリアパスとしては、ゼネコンや国・自治体の土木職などへの転職が可能で、特に大手ゼネコンでは安定した収入と労働環境が得られることが多いです。 例えば、大手ゼネコンでは大規模プロジェクトに携わることができ、地方自治体では公共事業の施工管理業務を担当することができます。また、専門施工会社では特定分野に特化した施工管理を行うことで、専門性をさらに高めることができます。
さらに、1級土木施工管理技士を取得していると、労働安全衛生コンサルタントや社会保険労務士の受検資格を満たし、受検することができます。
労働安全衛生コンサルタントは、労働者の安全衛生水準を維持するために事業所の安全診断などを行える資格で、社会保険労務士は社会保険などについての業務を行うことが出来る国家資格です。
どちらも難易度は高いですが、このようなキャリアアップを目指すこともできます。

更に詳しく知りたい方は、こちらの記事もご確認ください。

1級土木施工管理技士の資格取得のメリット

1級土木施工管理技士の資格を取得するメリットは、以下のようなものが挙げられます

  1. 監理技術者としての役割を果たし、より大規模な工事に携わることが可能
  2. 多くの工事に携われるという点で、転職時に有利になるだけでなく、昇進の機会も増える
  3. 資格手当が支給される場合も多く、収入アップに繋がる
  4. 資格取得を通じて専門知識が向上できる
  5. 将来のさらなるキャリアアップを考えることができる

資格取得は簡単なものではありませんが、無資格と比べると収入や将来性の部分で大きくプラスになり、取得する価値のある資格と言えるでしょう。

1級土木施工管理技士の受検資格と試験概要

令和6年度からは受検資格が緩和され、19歳以上(受検年度末時点) であれば学歴、実務経験年数に関わらず誰でも1次検定を受験できるようになりました。1級土木施工管理技士の試験は、土木一般や専門土木、法規などから出題され、マークシート方式で行われます。
緩和前は1次試験の受験資格として実務経験が必要でしたが、令和6年度からは実務経験に関わらず受験できるようになり、1級土木施工管理技士試験の受験のハードルが下がっています。
過去問は以下ページより確認が可能です。
試験問題/正答肢 | 一般財団法人 全国建設研修センター

「第一次検定」の試験内容

第一次検定は、学科試験として、

  • 土木一般
  • 専門土木
  • 施工管理法
  • 法規
に関する内容が出題されます。試験は選択式(マークシート方式)で行われ、基礎的な知識と応用力が問われます。合格基準は「全体の得点60%以上」かつ「施工管理法(能力問題)の得点60%以上」です。

 

「第二次検定」の試験内容

第二次検定は、施工管理法について「記述式」形式で出題されます。合格基準は「得点60%以上」です。解答する問題数は7問で、配点は公開されていません。

申し込み方法

試験の申し込みは、 全国建設研修センターの公式サイトから行うことができます。申し込みはインターネットと書面で実施可能です。
最新情報は下記、公式サイトをご確認ください。
公式サイト:1級土木施工管理技術検定 | 一般財団法人 全国建設研修センター

スケジュール

試験は年1回実施され、第一次検定は6月頃、第二次検定は10月頃に行われます。受験者は公式サイトでスケジュールを確認し、余裕を持って準備を進める必要があります。
例年のスケジュール感は以下の通りです。
申込日 インターネット申込、書面申込共に3月下旬~4月上旬
試験日 第一次検定:7月上旬
第二次検定:10月上旬
合格発表日 第一次検定:8月中旬
第二次検定:翌年1月上旬

1級土木施工管理技士の勉強方法と必要な時間



合格には約300〜600時間の学習が必要とされており、過去問や参考書、動画教材を活用することが推奨されます。また、専門学校やオンライン講座を利用することで、効率的に学習を進められます。

1級土木施工管理技士の合格率

最近の合格率は第一次検定で約50〜60%、第二次検定で30〜40%程度です。2級土木施工管理技士と比べて専門的な知識が求められるため、試験の難易度は高く、十分な対策が必要です。

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