「フロントエンド」「サーバーサイド」とは?違いや業務内容について解説!

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2023年12月25日

「フロントエンド」「サーバーサイド」の違いとは?

ITエンジニアは様々な種類がありますが、「フロントエンドエンジニア」と「サーバーサイドエンジニア」の二種類に大きく分けることができます。今回は、「フロントエンド」と「サーバーサイド」の意味と、それぞれのエンジニアの仕事内容について詳しく解説します。

目次

「フロントエンド」「サーバーサイド」とは?

まず、「フロントエンド」と「サーバーサイド」について、大まかに表すとこのようになります。

フロントエンドとサーバーサイドの違いについての説明

フロントエンド:Webサービスやアプリの直接ユーザーが見て操作する部分
サーバーサイド:Webサービスやアプリの裏側で動作している、ユーザーからは見えない部分

では、その詳細の違いについて、詳しく説明いたします。

フロントエンドとは

フロントエンドは、Webサービスやアプリでユーザーが直接見て操作できる部分のことです。例えば、ECサイトで商品を購入しようと思ったとき、商品検索をしたり、カートに商品を入れたり、購入に必要な情報の入力を行います。その際に見る各ページの出し分けや、マイページ情報の確認など、ユーザーの操作に応じた情報の提供をサーバーサイドに依頼するところまでをフロントエンドと呼びます。デザイン、動作パターン、そして表示される内容を一から作り上げ、実装するのがフロントエンドエンジニアです。

フロントエンドエンジニアの業務として、単に見た目を作るだけでなく、ユーザビリティの向上というミッションもあります。ユーザビリティというのは、ユーザーがサイトやアプリをストレスなく使えるように、操作性を向上させる作業のことを指します。
ユーザビリティ向上のために必要なのが、UI/UXです。UIとは、ユーザーインターフェースの略で、サービスとユーザーの接点のことを指します。具体的には、サイトやアプリを操作するための画面やボタンのことです。UXとは、ユーザーエクスペリエンスの略で、ユーザーの体験を表します。そのサービスを通じて得られた体験のことを指し、具体的には、ECサイトで欲しい商品がすぐ見つかった体験等のことです。これらUI/UXの設計もフロントエンドの重要な役割となります。ユーザーが使いやすく、そして何より満足感を得られるような使い心地を追及するのも、フロントエンドエンジニアの仕事の一つです。

サーバーサイドとは

サーバーサイドとは、Webサービスやアプリの裏側で動作している、ユーザーからは見えない部分すべてのことを指します。例えば、ECサイトで商品を購入しようとしているユーザーがカートに入っている商品を見ようとすると、フロントエンドからカート情報をくださいと依頼があります。その際に該当する情報を渡すことがサーバーサイドの役割です。フロントエンド側が情報を依頼することをリクエストと呼び、それに対してサーバーが情報を渡すことをレスポンスと呼びます。フロントエンドからのリクエストに対して正しくレスポンスするように実装するのがサーバーサイドエンジニアです。

正しいレスポンスをするためには、データの集まりであるデータベースの管理や、ユーザー情報を保管しながら適切に操作するサーバーの設定、そしてセキュリティ対策といった幅広いタスクが必要となります。サーバーサイドの中には、それらの設定や調整も含まれます。

フロントエンドとサーバーサイドの違い

フロントエンドとサーバーサイドの違いについての表

まとめると、フロントエンドとは、ユーザーが直接目にするウェブページの外観や操作性等を作り出す役割です。そのため、プログラミングと同時にデザインやユーザビリティにも配慮したバランスの良い作りを求められます。
一方、サーバーサイドとはユーザーからは見えない部分で活動します。サーバーの管理やデータベースの操作、システムの安定性やセキュリティの確保といった役割です。ここでは高度なプログラミングスキルが要求され、ユーザーの行動やリクエストに柔軟に対応できる仕組みを構築する力が求められます。

サーバーサイドエンジニアの中には、プログラムの開発を専門にしている人、セキュリティ関連を専門的に担当している人など、それぞれの役割があります。その中には、サーバー関連を専門にしているサーバーエンジニアという職種もあります。サーバーエンジニアについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

サーバーエンジニアの仕事内容は?必要な知識・スキルはある? | お仕事名鑑 | トライアローラボ | 転職・派遣求人ならトライアロー

これらフロントエンドとサーバーサイドは、それぞれ異なる役割を担っていますが、ウェブサイトやアプリ開発において密接な連携が必要となります。それぞれのエンジニアは、自分の担当領域のスペシャリストであるだけでなく、相手の領域を理解し、共に問題解決に取り組んでいく姿勢も必要でしょう。

これからエンジニアを目指そうと考えている人の中には、フロントエンドとサーバーサイド、どちらが良いのか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここからは、より具体的にフロントエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアの業務内容を紹介します。職種の理解とともに、自分自身のキャリア設計を考えてみてはいかがでしょうか。

フロントエンドエンジニアの仕事内容

まずは、フロントエンドエンジニアの仕事内容を解説します。

Webページの作成

Webデザイナーから提供されたデザインを元に、コードを記述しブラウザ上で表示可能なWebページの構築を行います。
ただデザインを元にコーディングにすれば良いというわけではありません。UI/UXを意識したユーザーにとって使いやすいシステム・サイトを構築するためには、裏側にあるサーバーサイドとの連携と連携して業務を進めていくことが必要です。

制作の進捗管理

制作の進捗管理もフロントエンドエンジニアの重要なタスクの一つです。
一つのプロジェクトに対して、ディレクターやプロジェクトマネージャーのような進捗管理担当者がいます。しかし、フロントエンドエンジニアは同時に複数のプロジェクトに参画することも少なくありません。
一つ一つのプロジェクトの進捗管理には専任担当がいますが、自分に割り当てられたタスクについて確実に期限を遵守できるよう、自分で進捗の管理をすることも必要です。
また、フロントエンドエンジニアは、サーバーサイドエンジニアやデザイナーなど、プロジェクトの他のメンバーとの連携が多く求められます。

フロントエンドで使われるプログラミング言語

フロントエンドエンジニアが使用する言語は、主に以下の2つです。

  • HTML/CSS
  • JavaScript

HTML/CSS

HTMLとはテキストや画像、表、リンクなどをWEBサイトに配置するための言語です。Webページ内の情報について、見出し、本文など構造を記述します。見出しは文字を太くする、色を変える等の強調をすることもできます。
CSSとは、HTMLで記述した構造の見た目やスタイルを定義するための言語です。装飾やレイアウトを整えられるので、見栄えの良いページにするために、CSSは必須と言えます。

JavaScript

JavaScriptとは、Webページに動きをつけるための言語です。例えば、ボタンの上にカーソルを合わせると色が変わる機能や、ポップアップなど様々な機能の実装に用いられます。
JavaScriptを使用せずともサイトの構築は可能ですが、JavaScriptを使用することで、よりユーザビリティを意識したサイトを作ることができます。
また、近年はフレームワークを活用した開発が増えています。フレームワークとはシステムの枠組みのようなもので、その枠組みに足りない機能のみを追加するだけでシステムの構築ができ、大変効率的な開発が可能です。フレームワークには、ReactやVue、jQuery等の種類があります。それぞれのフレームワークに、メリットデメリットがありますので、目的に合わせて活用できると良いでしょう。

サーバーサイドエンジニアの仕事内容

次に、サーバーサイドのエンジニアの仕事内容について解説します。

プログラムの開発・保守

サーバー側で実行するプログラムの開発を行います。バックエンドとも呼ばれ、データベース管理やサーバーの設定、ユーザーの要求に応じてデータベースから情報を引き出したり、サーバー上で動くプログラムを開発したりします。この開発をしないと、先述のフロントエンドのWebページが適切に動作しません。
そもそもサーバーは、ユーザーからの様々なリクエストを受け取り、必要なデータや機能を提供する役割を果たすコンピュータのことを指します。そして、このサーバーを動かすためのソフトウェア開発が、サーバーサイドエンジニアの主な業務となります。

データ管理

Webサービスを利用していると、名前や住所等の情報を登録が必要になることも多いと思います。これらのユーザーの情報や商品データなど、様々なデータをサーバー上に保存し、適切に管理することもサーバーサイドエンジニアの重要な仕事の一部です。
先述の通り、サーバーに含まれるデータはユーザーの情報から商品データまで様々な情報があります。それぞれ異なるデータですが、ユーザーの動作に合わせて必要なデータを、適切な形で保存・管理しなければなりません。
特に、情報社会が進展する今、サーバーの役割を理解し、データベースを適切に管理するスキルは需要が高く、データベースに特化したサーバーサイドエンジニアの需要は高待っています。

また、サーバーのセキュリティ対策も重要な役割の一つです。情報漏えい防止のためのセキュリティ強化や、大量のアクセスに耐えるためのパフォーマンスの向上など、サーバーを安定して運用するためのさまざまな改良作業も行います。
ITシステムがスムーズに稼働するために欠かせない業務であり、ユーザーが安心してサービスを利用できるよう、裏側から支えています。

バグの修正

プログラムにはバグがつきものです。そのバグを修正するのもサーバーサイドエンジニアの役割です。ユーザーからの問い合わせやエラーレポートを基に、問題発生の原因を追及し、その解決を行います。
一見単純な仕事に見えますが、実際には高い論理的思考力や、問題解決のためのチームメンバーとのコミュニケーション能力が必要とされます。

ソフトウェアのインストール・アップデート

また、サーバーで稼働するソフトウェアのインストールとアップデートを行うのもサーバーサイドエンジニアです。適切なソフトウェアやツールを選定からインストール、そして必要に応じて更新行うことでシステムの性能と安定性を維持します導入するソフトウェアやツールの選択がアプリケーション全体のパフォーマンスと安定性に大きな影響を及ぼすこともあります。IT業界はトレンドの移り変わりが激しいため、最新の技術トレンドを常に把握し、適切なソフトウェアの更新を行うことが求められます。

サーバーサイドで使われるプログラミング言語

サーバーサイドエンジニアが使用する言語で代表的なものの例を挙げます。フロントエンドエンジニアの場合はそれぞれの言語に明確な役割がありましたが、サーバーサイドエンジニアはOS等の動作環境や、言語の特徴を元にプロジェクトの要件に合わせて開発言語を決定します。

  • Ruby
  • PHP
  • Python
  • Java
  • データベース言語:SQL

Ruby

Rubyとは、日本で開発された言語です。Web開発やスマホアプリなど様々な開発に利用されています。Ruby on Railsなどのフレームワークが豊富に存在するため、複雑なシステムの開発もしやすいといわれています。

PHP

PHPは、動的なWebページを生成することに特化した言語です。動的なページというのは、アクセスした状況やタイミングにより表示内容が変わるページのことで、表示内容がユーザーごとに違うショッピングサイトや会員制のサイト等のことです。

Python

Pythonはシンプルで読みやすい構文が特徴で、数値計算からWebアプリ開発、AIなど幅広い分野で利用されています。特に科学技術分野の開発が進んでいて、データの収集や分析などにも強い言語です。

Java

C言語という言語をベースに開発された言語です。Webサービスやアプリの開発によく使用されています。プラットフォームに依存しないのが特徴で、Windows、MacなどのOS問わず実行が可能です。

データベース言語:SQL

SQLはデータベース言語の一つでデータベースの操作を行います。データベースを扱うサーバーサイドエンジニアにはマストの言語です。SQLは国際的に規格が標準化されていて、一度勉強をすることで、他のデータベースでも同じような操作ができます。

今後の需要

IT業界は刻一刻と変遷し、その流れの中で、「フロントエンド」と「サーバーサイド」、それぞれのエンジニアが担う役割も年々進歩し変化を遂げています。

フロントエンドエンジニアの将来性

スマートフォンの普及などからWebサービスの開発需要が高まっています。特に今は、ユーザー体験(UX)の最適化が重要視されていて、使い心地の良いUI、レスポンシブデザインなど、ユーザーに価値を提供できるフロントエンドエンジニアが重宝されるでしょう。
そのため、単純なコーディングスキルのみではなくフレームワークを活用した開発ができるようにスキルを磨くことで、需要の尽きないフロントエンドエンジニアになることができます。

サーバーサイドエンジニアの将来性

経済産業省の調査によると、エンジニアなどのIT人材は需要に対して供給が少なく、今後も人材不足が続くといわれています。特に経験者人材が足りておらず、エンジニアの需要は今後も尽きないと考えられていますが、需要の高いサーバーサイドエンジニアとなるために、どこか一つ専門分野をつくれると良いでしょう。
また、ここではサーバーサイドエンジニアと一括りに紹介しましたが、基本的には1人ですべての開発を行うわけではありません。サーバーの管理、データベースの管理、設計、開発(プログラミング)、保守など様々な業務があり、全体像を理解した上で自身が担当する業務を遂行します。データベースに特化している、プログラミングスキルに特化している等、自身の長所をつくりましょう。
特に昨今、ビッグデータやAI技術の導入が進んでいます。現状の段階では、その分野の専門家は多くないためねらい目と言えます。
出展:経済産業省

フロントエンドエンジニアとサーバーエンジニアの年収

令和4年賃金構造基本統計調査によると、Webサイト開発に関わるエンジニアの平均年収は550.2万円です。同調査による全職種の平均年収は496.5万円ですので、平均より高い水準と言えます。ただ、年収の幅が広く、全体の給与幅は350万~970万となっております。経験の有無や技術力が給料に反映されやすい職種と言えるでしょう。
出展:令和4年賃金構造基本統計調査

まとめ

フロントエンドエンジニアは直接ユーザーが操作する部分の構築を行い、サーバーサイドエンジニアはその裏側となるシステムを構築します。どちらもWebサービスやアプリを構築する上で欠かせない存在で、IT化が進む今今後の需要も高いといえます。
これからエンジニアを目指そうと考えている方は、自分がエンジニアとして何を作りたいのか、デザインを作りたいのか、アプリなどのシステムの構築をしたいのかを突き詰めて、進む道を決めると良いでしょう。

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