Linux資格完全ガイド:種類・難易度から効率的な勉強法まで徹底解説

公開日:2025/10/10 最終更新日:2025/10/10

Linux資格完全ガイド:種類・難易度から効率的な勉強法まで徹底解説
Linux関連の資格取得は転職活動の大きな武器になります。しかし、「どの資格を選べばいいのか」「効率的な勉強方法は何か」と悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、Linux資格の種類や難易度を比較し、効率的な勉強方法からキャリアパスまで徹底解説します。

Linuxとは?資格を学ぶ前の基礎知識

Linuxは、オープンソースのオペレーティングシステム(OS)で、世界中のサーバーやクラウドインフラの基盤として広く採用されています。Windowsなどと異なり、無料で利用でき、自由にカスタマイズできる柔軟性が特徴です。
現在、世界のサーバーOSの6割以上がLinuxを採用しているとされ、クラウドサービスやIoT機器などでも中心的な役割を担っています。2023年の調査によると、世界のサーバーOS市場においてLinuxは62.7%のシェアを占有していると報告されています。
Linuxを扱える技術者の需要は常に高く、IT業界ではLinux関連のスキルを持つエンジニアが重宝されています。そのスキルを客観的に証明するための手段として、様々なLinux資格が存在しています。これらの資格は、転職やキャリアアップの際に自分の技術力をアピールする手段の一つとなるでしょう。

Linux資格の種類と特徴

Linux関連の資格は複数存在しますが、代表的なものとして「LinuC」「LPIC」「Red Hat認定資格」「Linux Foundation認定資格」の4つが挙げられます。それぞれ特徴や対象者が異なるため、自分の目標に合った資格を選ぶことが重要です。
主要なLinux資格の基本情報を比較をします。
資格名 運営団体 特徴 対象者 試験形式
LinuC LPI-Japan 日本市場向けに最適化、実務重視 国内でキャリアを築きたい人 学科試験(選択式・記述式)
LPIC Linux Professional Institute 国際的に認知度が高い グローバルに活躍したい人 学科試験(選択式・記述式)
Red Hat認定資格 Red Hat 実技中心、ベンダー資格 エンタープライズ環境で活躍したい人 実技試験
Linux Foundation認定資格 Linux Foundation 実践的スキル評価 オープンソースコミュニティで活躍したい人 実技試験

LinuC(Linux技術者認定試験)

LinuCは、2018年にLPI-Japanが日本国内市場向けに発表したLinux技術者認定試験です。以前は「Linux技術者認定試験」や「Linuxプロフェッショナル認定資格」と呼ばれていたものがリブランディングされたものです。
LinuCの最大の特徴は、日本の市場環境や実務に即した内容であることです。日本企業のIT環境を考慮した出題範囲となっており、海外資格と比較して国内での評価が高い傾向にあります。
LinuCには以下のレベルがあります。
  • LinuCレベル1: 物理/仮想環境を問わずLinuxシステムの操作と管理ができるレベル
  • LinuCレベル2: 中小規模のLinuxサーバー環境の構築・運用・管理ができるレベル
  • LinuCレベル3: 大規模なLinuxシステムの設計・構築・運用ができるレベル
  • LinuCシステムアーキテクト: 大規模システムのライフサイクル全体を俯瞰し設計できるレベル
LinuCの試験は、101試験と102試験(レベル1)、201試験と202試験(レベル2)のように、各レベルにつき2つの試験があり、両方に合格することでそのレベルの認定が得られます。試験時間は各90分、60問の問題が出題され、合格率は65〜75%程度と言われています。
※参考:LinuCが証明する技術レベル | IT資格といえば LinuC | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan

LPIC(Linux Professional Institute Certification)

LPICは、Linux Professional Institute(LPI)が提供する国際的なLinux認定資格です。世界中で70万人以上が受験し、30万人以上が認定されている、グローバルスタンダードの資格と言えます。
LPICの特徴は、特定のディストリビューション(Linuxの種類)に依存しない「ベンダーニュートラル」な試験内容であることです。これにより、どのLinux環境でも通用するスキルを証明できます。
LPICには以下の3つのレベルがあります。
  • LPIC-1: 日常的なLinuxの操作とシステム管理の基本スキルを持つレベル
  • LPIC-2: 中小規模の混合ネットワークの管理能力を持つレベル
  • LPIC-3: エンタープライズレベルのLinuxプロフェッショナルとしてのスキルを持つレベル
LPIC-3では、「Mixed Environment(混在環境)」「Security(セキュリティ)」「Virtualization & High Availability(仮想化と高可用性)」などの専門分野に分かれています。
試験形式はLinuCと同様に各レベルが2つの試験で構成され、試験時間は90分、60問の問題が出題されます。合格率についても65〜75%程度と言われています。
※参考:LPIC-1 - Linux Professional Institute (LPI)

Red Hat認定資格

Red Hat認定資格は、企業向けLinuxディストリビューションの大手であるRed Hat社が提供するベンダー資格です。Red Hat Enterprise Linuxに特化した実践的なスキルを評価する試験となっています。
Red Hat認定資格の最大の特徴は、すべての試験が実技試験であるという点です。理論だけでなく実際に作業をして問題を解決する能力が問われるため、実務スキルを直接証明できる資格として高い評価を受けています。
代表的なRed Hat認定資格には以下の区分があります。
  • Red Hat認定システム管理者(RHCSA): Red Hat Enterprise Linuxの基本操作と管理ができるレベル
  • Red Hat認定エンジニア(RHCE): 複雑なRed Hat Enterprise Linuxの設定と管理ができるレベル
  • Red Hat認定アーキテクト(RHCA): Red Hat製品のエキスパートとして複数の専門領域に精通しているレベル
実技試験であるため合格難易度は高めですが、その分、市場での評価も高く、特にRed Hat製品を導入している企業での評価が非常に高いという特徴があります。
参考:Red Hat 認定資格の一覧 | Red Hat

Linux Foundation認定資格

Linux Foundation認定資格は、Linux Foundation(非営利団体)が提供する認定資格です。オープンソースの発展に貢献することを理念とした団体による試験であり、実践的なスキル評価に重点を置いています。
この資格の特徴は、実際の業務で直面する問題を解決する能力を問う実技試験形式であることです。理論知識だけでなく、実際に手を動かしてLinuxシステムを操作・設定できる能力が求められます。
代表的なLinux Foundation認定資格には以下の区分があります。
  • Linux Foundation Certified IT Associate(LFCA): ITの基礎知識とLinuxの基本操作ができるレベル
  • Linux Foundation Certified System Administrator(LFCS): Linuxシステム管理の基本スキルを持つレベル
  • Linux Foundation Certified Engineer(LFCE): 上級レベルのLinuxシステム設計・運用スキルを持つレベル
オンラインで監視される環境で試験が行われ、制限時間内に実際のタスクを完了する必要があります。実技中心の試験であるため、実務経験のない方には難易度が高い傾向にありますが、実践的なスキルを証明できる価値の高い資格です。
参考:認定 - Linux Foundation - 教育

Linux資格の難易度比較

Linux資格はレベルによって難易度が大きく異なります。自分のスキルレベルに合った資格を選ぶことで、効率的にステップアップしていくことができます。ここでは、初心者から上級者までのレベル別におすすめの資格を紹介します。

初心者向け資格

Linux初心者にオススメの資格一覧
  1. LinuCレベル1: Linux初心者でも比較的取得しやすい難易度です。基本的なコマンド操作やファイルシステムの理解が問われます。
  2. LPIC-1: 国際的に認知度が高く、基本的なLinuxの知識と操作スキルを証明できます。
  3. Linux Essentials: LPIが提供する入門レベルの資格で、Linuxの基礎概念を学ぶのに最適です。
これらの資格は、Linux未経験者でも3ヶ月程度の勉強で合格可能と言われています。ただし、全くのIT初心者の場合は、基本的なコンピュータの知識を事前に身につけておくことをおすすめします。

初心者向け資格の勉強時間の目安
資格名 必要な勉強時間(IT経験者) 必要な勉強時間(IT未経験者)
LinuCレベル1 約100時間 約150時間
LPIC-1 約100時間 約150時間
Linux Essentials 約50時間 約80時間
初心者の方は、まずはこれらの資格取得を通じてLinuxの基礎をしっかり固めましょう。

中級者向け資格

中級者にオススメの資格一覧
  1. LinuCレベル2: 中小規模のLinuxサーバー環境の構築・運用・管理ができるレベルを証明します。
  2. LPIC-2: 混合ネットワーク環境でのLinuxサーバー管理スキルを証明します。
  3. RHCSA(Red Hat認定システム管理者): Red Hat Enterprise Linuxの基本的な管理スキルを実技で証明します。
これらの資格は、LinuCレベル1やLPIC-1を取得した後、または1年程度のLinux実務経験がある方に適しています。試験の難易度もそれなりに高く、特にRHCSAは実技試験のため、実際の操作に慣れておく必要があります。

中級者向け資格の勉強時間の目安
資格名 必要な勉強時間(前提資格あり) 必要な勉強時間(実務経験のみ)
LinuCレベル2 約150時間 約200時間
LPIC-2 約150時間 約200時間
RHCSA 約200時間 約250時間
これらの資格を取得することで、より専門的なLinuxスキルを証明でき、キャリアの選択肢も広がります。

上級者向け資格

上級者またはプロフェッショナルを目指したい方にオススメの資格一覧
  1. LinuCレベル3: 大規模なLinuxシステムの設計・構築・運用スキルを証明します。
  2. LPIC-3: エンタープライズレベルのLinuxプロフェッショナルとしてのスキルを証明します。
  3. RHCE(Red Hat認定エンジニア): 高度なRed Hat Enterprise Linuxの設定・管理スキルを実技で証明します。
  4. Linux Foundation認定エンジニア(LFCE): 上級レベルのLinuxエンジニアとしての実践的スキルを証明します。
これらの資格は、2年以上のLinux実務経験がある方、または中級資格を取得済みの方に適しています。専門的な知識だけでなく、実践的な問題解決能力も問われるため、かなりの学習時間と実務経験が必要です。
上級者向け資格の勉強時間の目安
資格名 必要な勉強時間(中級資格あり) 必要な勉強時間(実務経験2年以上)
LinuCレベル3 約250時間 約200時間
LPIC-3 約250時間 約200時間
RHCE 約300時間 約250時間
LFCE 約300時間 約250時間
上級資格の取得により、高度なLinux技術者としての評価を得ることができ、キャリアアップや年収アップにつながる可能性が高まります。

Linux資格取得のメリット

Linux資格を取得することで、IT業界でのキャリアの選択肢が大きく広がります。サーバーOSとしてLinuxを採用している企業は多く、特に以下のような職種での活躍が期待できます。
  • インフラエンジニア: サーバーやネットワークの構築・運用を担当
  • サーバー管理者: Linuxサーバーの管理・保守を担当
  • クラウドエンジニア: AWS、Azure、GCPなどのクラウド環境の構築・運用を担当
  • DevOpsエンジニア: 開発と運用の橋渡しを担当
  • セキュリティエンジニア: システムのセキュリティ対策を担当
資格取得によって自分のキャリアの方向性を明確にすることができ、より専門性の高い仕事にステップアップする道が開けるでしょう。

▼参考記事

需要の高いスキルの証明になる

Linux関連のスキルは、IT業界で常に高い需要があります。特にクラウドコンピューティングの普及に伴い、Linuxを扱えるエンジニアの需要は年々増加しています。
Linux資格を持っていることで、このような高需要のスキルを客観的に証明することができます。特に実務経験が少ない場合や転職活動において、資格はあなたのスキルを証明する強力な武器となります。

体系的な知識が身につく

Linux資格の学習過程では、体系的にLinuxの知識を習得することができます。実務だけでは断片的になりがちな知識も、資格学習を通じて網羅的に学ぶことで、より深い理解とスキルの定着が期待できます。
例えば、以下のような知識が体系的に身につきます:
  • コマンドラインの操作とシェルスクリプト
  • ファイルシステムの管理とバックアップ
  • ユーザー管理とアクセス権限
  • ネットワーク設定とサービス管理
  • セキュリティ対策と監視
  • カーネル管理と最適化
これらの知識は、単に試験に合格するためだけでなく、実際の業務での問題解決能力の向上にも直結します。体系的な学習によって「なぜそうなるのか」という原理原則の理解が深まり、未知の問題に対しても柔軟に対応できる応用力が身につくのです。

効率的なLinux資格の勉強方法


Linux資格を効率よく取得するためには、計画的に学習をする必要があります。2つのの勉強方法を解説します。

プログラミングスクールの活用

未経験から資格取得を目指す方にオススメの方法です。スクールに通うことで、既にあるカリキュラムを元に効率的に学習ができます。
また、すぐに質問ができる体制が整っており、分からないこともすぐに解決することができます。

■プログラミングスクールのメリット
  • 専門家の指導が受けられる: わからない点をすぐに質問でき、効率的に学習を進められます。
  • 学習計画のサポート: 自分に合った学習計画を立ててもらえるため、ムダなく学習できます。
  • モチベーション維持: 定期的な面談や進捗確認により、挫折せず学習を継続できます。
  • 環境構築のサポート: Linux環境の構築から丁寧に教えてもらえるため、初心者でも安心です。
  • 最新情報の共有: 試験の傾向や出題パターンなど、最新の情報を得られます。

独学での勉強

自分の習熟度に合わせて勉強ができる方法です。以下のステップで進めるとよいでしょう。
  1. 学習計画の立案: まずは受験する資格を決め、試験日から逆算して学習計画を立てる。一般的にLinuCレベル1やLPIC-1であれば、3ヶ月程度の学習期間を確保するとよいでしょう。
  2. 公式ガイドの確認: 各資格の公式サイトで公開されている出題範囲(シラバス)を確認。これにより、何を学ぶべきかが明確になります。
  3. 参考書による基礎学習: 選んだ資格に合わせた参考書を使って基礎から学ぶ。「Linux教科書」シリーズなどの定評のある書籍がおすすめです。
  4. 実践環境での操作練習: 仮想マシンやクラウド環境にLinuxをインストールし、実際に手を動かして学んだコマンドを試しましょう。
  5. 問題集による演習: 基礎知識が身についたら、問題集で試験対策を行いましょう。「スピードマスター問題集」や「ping-t」などのオンライン問題集が効果的です。
  6. 苦手分野の集中対策: 問題集で間違えた問題や理解が不十分な分野を重点的に復習しましょう。
独学の大きなメリットは、自分のペースで学習を進められることです。ただし、モチベーションの維持が難しい場合もあるため、学習の進捗を記録したり、目標達成時に自分へのご褒美を設定したりのも良いでしょう。

実践環境の構築方法

独学で始めるときに役立つ、初心者でも簡単に始められる実践環境の構築方法を紹介します。
  1. 仮想マシンを使う方法
    最も一般的なのは、VirtualBoxやVMwareなどの仮想化ソフトウェアを使う方法です。
    • VirtualBoxをダウンロードしてインストール(無料)
    • UbuntuやCentOSなどのLinuxディストリビューションのISOイメージをダウンロード
    • 仮想マシンを作成してLinuxをインストール
    この方法のメリットは、自分のPCの元のOSを変更せずに、Linuxを安全に試せることです。試験対策としては、LinuCやLPICならUbuntu、Red Hat系の資格ならCentOSを選ぶとよいでしょう。

  2. デュアルブートを設定する方法
    PCを起動時にWindowsかLinuxか選べるようにする方法です。
    • LinuxディストリビューションのISOイメージをUSBメモリに書き込む
    • PCを再起動し、USBから起動してLinuxをインストール(パーティションを分割)
    この方法は直接ハードウェアにアクセスするため処理速度が速いですが、設定が少し複雑で、誤操作によりデータを失うリスクもあります。初心者には仮想マシンの方が安全でしょう。

  3. クラウド環境を利用する方法
    AWSのEC2やGCPのCompute Engineなどのクラウドサービスを利用する方法です。
    • クラウドプロバイダのアカウントを作成
    • Linuxサーバーのインスタンスを起動
    • SSHでサーバーに接続
    クラウド環境は最初の無料枠を利用すれば費用をかけずに本格的なサーバー環境を体験できるメリットがあります。ただし、ネットワーク接続が必須であり、操作がコマンドラインのみになる場合が多いため、ある程度の知識が必要です。

    どの方法を選ぶにせよ、コマンドを実際に打ち込み、エラーを経験して解決する過程がLinux学習において非常に重要です。書籍やオンライン講座で学んだことを実践環境で確認する習慣をつけることで、知識の定着度が大きく上がります。

Linux資格取得後のキャリアパス

Linux資格を取得した後は、様々なキャリアパスが考えられます。ここでは、代表的なキャリアの方向性と、それぞれのパスでさらにステップアップするための方法を解説します。

インフラエンジニアとしてのキャリア

Linux資格を活かせる代表的なキャリアパスの一つが、インフラエンジニアです。インフラエンジニアはサーバーやネットワーク機器などのIT基盤を設計・構築・運用する専門家であり、Linuxの知識は必須のスキルとなります。

インフラエンジニアの役割

  • サーバー(物理/仮想)の設計・構築
  • ネットワーク環境の整備
  • システムの安定稼働の維持
  • セキュリティ対策の実施
  • バックアップと障害復旧
  • システムのパフォーマンス最適化

インフラエンジニアの年収目安

経験年数 平均年収
未経験~3年 400万円~500万円
3年~5年 500万円~600万円
5年~10年 600万円~800万円
10年以上 800万円~1,000万円以上
※市場調査会社のデータに基づく2024年時点の目安

キャリアステップアップの方法

  1. 上位資格の取得: LinuCレベル2、LPIC-2などの上位資格を取得し、専門性を高める
  2. 関連技術の習得: 仮想化技術(VMware、KVMなど)、コンテナ技術(Docker、Kubernetes)を学ぶ
  3. クラウド資格の取得: AWS認定ソリューションアーキテクト、Azure認定管理者などのクラウド資格を取得
  4. プロジェクトマネジメントスキルの習得: より上流工程の案件に関われるようになる
  5. チームリーダー・マネージャーへのキャリアアップ: 経験を積んで管理職を目指す
インフラエンジニアは需要が高く、特にクラウド環境を含めた幅広い知識と経験を持つエンジニアは重宝されます。LinuxはAWSやAzureなどのクラウド環境でも基盤となる技術であるため、クラウドへの移行が進む現在、その価値はさらに高まっています。

クラウド分野への発展

Linux資格を取得した後、クラウド技術へとキャリアを発展させるのも良いでしょう。現在、クラウドプラットフォームは多くがLinuxをベースとしており、Linux知識はクラウドエンジニアにとって大きなアドバンテージとなります。

クラウドエンジニアの役割

クラウドエンジニアの主な業務内容は以下の通りです。
  • クラウド環境の設計・構築
  • クラウドサービスの選定と導入
  • コスト最適化
  • 自動化とインフラのコード化(IaC)
  • クラウドセキュリティの確保
  • ハイブリッドクラウド/マルチクラウド環境の管理

クラウド関連の資格とLinuxとの相乗効果

クラウド資格 Linux知識との相乗効果
AWS認定ソリューションアーキテクト AWSのEC2インスタンスはLinuxが基本。Linuxコマンドやシステム管理の知識が直接役立つ
Google Cloud認定プロフェッショナル GCPの基盤はLinux。コンテナ技術や仮想化の知識が活きる
Microsoft Azure管理 Azureでも多くのサービスがLinuxベース。Linuxの知識がハイブリッド環境で役立つ
Kubernetes管理者認定 コンテナオーケストレーションの基盤技術。Linuxの深い理解が必要

クラウド分野でのキャリアパス

  1. インフラエンジニア→クラウドエンジニア(オペレーション): クラウド環境の運用保守を担当
  2. クラウドエンジニア→クラウドアーキテクト: クラウド環境の設計や最適化を担当
  3. クラウドアーキテクト→クラウドコンサルタント: 企業のクラウド移行を支援
  4. デブオプスエンジニア→開発と運用の橋渡し役として自動化や効率化を推進
クラウド技術は急速に進化しているため、継続的な学習が必要です。Linuxとクラウドのスキルを組み合わせることで、市場価値の高いエンジニアとして活躍できるでしょう。クラウド環境での実務経験を積みながら、各クラウドプロバイダの認定資格も取得していくことで、専門性と汎用性を兼ね備えたエンジニアとなることができます。

上位資格へのステップアップ

Linux資格を取得した後は、さらに上位の資格へとステップアップしていくことで、専門性を高め、キャリアの可能性を広げることができます。ここでは、代表的なLinux資格からのステップアップパスを紹介します。

LinuCのステップアップパス

LinuCは、段階的に専門性を高めながら実務力を裏付けられる資格体系です。
まずレベル1でLinuxの仕組みを広く理解し、レベル2でサーバー構築や運用管理の実践知識を深めます。続いてレベル3ではOSが混在する環境の最適化、セキュリティ強化、仮想化の高度設計などを学び、最後にシステムアーキテクト資格で大規模システムの設計・構築能力を公式に証明できます。これらを順に取得することで、キャリアの節目ごとに市場価値を高めつつ、自身の成長を客観的に示せます。
  1. LinuCレベル1→LinuCレベル2: サーバー構築や運用管理に必要な知識を深める
  2. LinuCレベル2→LinuCレベル3: 専門分野(OS混在環境、セキュリティ、仮想化など)の高度な知識を習得
  3. LinuCレベル3→LinuCシステムアーキテクト: 大規模システムの設計・構築スキルを証明

LPICのステップアップパス

LPICはLinux技術力を国際標準で証明できる資格体系です。
まずLPIC-1で基本的なコマンド操作やシステム管理の基礎を固め、LPIC-2で中小規模の混合ネットワークを設計・運用できる実践力を身につけます。さらにLPIC-3ではMixed Environment、Security、Virtualization & High Availabilityなどの専門領域を深掘りし、エンタープライズ環境に対応できる高度なアーキテクチャ設計力を示せます。段階的に取得することで、キャリアの幅を広げ、市場価値を継続的に高められます。
  1. LPIC-1 →LPIC-2: 中小規模の混合ネットワーク管理能力を証明
  2. LPIC-2 →LPIC-3: 専門分野(Mixed Environment、Security、Virtualization & High Availability)の深い知識を習得

関連資格へのステップアップ

Linux資格を土台に、まずCCNAなどのネットワーク資格を取得すれば、機器接続から経路設計まで一貫して対応できる幅広いインフラ技術者を目指せます。続いてCISSPなどでセキュリティ設計力を強化し、AWSやAzure資格でクラウド導入の提案力を磨き、最後にCKAでコンテナ運用の専門性を示せば、オンプレからクラウドネイティブまで網羅するエンジニアとして高く評価されます。学習順を意識して段階的に経験を積むことで、実務での説得力も増し、キャリア選択の幅が大きく広がります。
  1. Linux基本資格 →ネットワーク資格(CCNA等): インフラエンジニアとしての幅を広げる
  2. Linux資格 →セキュリティ資格(CISSP等): セキュリティ分野への専門性を高める
  3. Linux資格 →クラウド資格(AWS/Azure等): クラウド時代に対応したスキルを習得
  4. Linux資格 →コンテナ関連資格(CKA等): コンテナ技術の専門性を証明

ステップアップ計画の立て方

  1. 現在のスキルレベルを評価: 現在の知識・経験を客観的に評価
  2. キャリア目標の設定: 3年後、5年後に目指すポジションを明確化
  3. 必要スキルのギャップ分析: 目標と現状のギャップを分析
  4. 優先順位付け: 市場価値や業務との関連性を考慮して優先順位を決定
  5. 計画的な学習: 時間と費用を考慮した現実的な学習計画を立案
  6. 実践の場を確保: 学んだスキルを実務で活かす機会を作る
上位資格へのステップアップは一度に行う必要はありません。キャリア目標に合わせて計画的に取得していくことが大切です。また、資格取得と並行して実務経験を積むことで、理論と実践の両面からスキルを高めることができます。

まとめ

本記事では、Linux資格の種類や特徴、難易度、勉強方法、そしてキャリアパスについて詳しく解説してきました。
資格選びに迷った場合は、まずは各資格の出題範囲を確認し、自分の興味や現在の業務との関連性を考慮して決めることをおすすめします。Linux資格があなたのITキャリアの大きな飛躍につながることを願っています。

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