公開日:2023/08/17 最終更新日:2023/08/17
インフラエンジニアとしてのキャリアをスタートするとき、「監視、運用」業務から担うことがほとんどです。そこから少しずつ業務の幅を広げていき、保守業務や上流工程である設計・構築・要件定義などにステップアップしていきます。3~5年の経験を積み、一通りの業務を担えるようになると、インフラエンジニアとして様々なキャリアの選択肢が広がるでしょう。今回は代表的なキャリアパスは5つとそれぞれ役割について解説します。
スペシャリストはその名の通り、インフラエンジニアの「スペシャリスト」です。インフラエンジニアとしての知識・スキルを常に磨き、技術力を高めます。「職人」というと伝わりやすいかもしれませんが、一般的なインフラエンジニアにはできないようなハイレベルな技術が求められます。 業務では特に最先端技術を任されることが多く、最近では仮想化技術やAI等の最近のトレンドを取り入れた技術を求められることが多いです。ただ単に知識・技術を磨くだけでなく、新しい技術やトレンドの技術にアンテナを張り、情報収集することも必要でしょう。 仕事においては、「難しい案件もあの人なら頼めば大丈夫」「分からないことはあの人に聞こう」のようにチーム内で頼りにされることも多い存在です。
プロジェクトリーダー、マネージャーは、プロジェクト全体をまとめマネジメントをするポジションです。一つのプロジェクトには様々な業務があるため、それぞれを担当するエンジニアが集まりますが、そのプロジェクトチームのリーダーとしてプロジェクトを成功に導きます。 具体的な仕事内容としては、クライアントとの打ち合わせから人員、予算、納期などを決め、プロジェクトがスタートすればコストやスケジュール、人員管理を行って進捗状況をコントロールします。チームのまとめ役的な存在のため、プロジェクトを統率するマネジメント力やコミュニケーション力が必要です。 また、プロジェクトはトラブルや問題が発生することが多々あります。その際に原因の分析を行い、解決に導くこともプロジェクトマネージャーの仕事の一つです。問題が起きたときには、冷静に解決へ導く問題解決力も必要とされるでしょう。
ITコンサルタントは、クライアント(企業)にITを活用したシステムや技術を提案し、クライアントの課題解決へ導く仕事です。クライアントのニーズに合わせてアドバイスをしていく立場ですので、IT分野全般への知見が求められます。しかし実際は得意領域や専門領域を持っていることも多く、全ての分野でスペシャリストである必要はありませんが、自分の得意な分野に関して強みを持てると良いでしょう。 業務の流れとしては、クライアントが抱えている課題のヒアリングを行い、その後市場の分析・調査、その結果を元に課題解決のための提案を行います。 ノンテクニカルスキルも要することの多い職種で、顧客が抱えている課題を聞き出すヒアリング力や解決策を提案するプレゼン力、さらには経営戦略に直結することもあるため、経営術等のビジネス知識も必要です。必要とする知識の多さもあり、平均年収も高い職種です。
最初にご紹介した「スペシャリスト」の真逆に位置する職種です。スペシャリストは特定の領域に特化した知識・スキルを身につけるのに対し、ゼネラリストは幅広い領域の知識・スキルを身につけます。プロジェクトの立ち上げから運用・保守まで一人で完結できる存在のため、業務面では幅広い知識を活かしてチームメンバーをまとめる、マネジメント業務やリーダー業務を行うことが多いです。しかし、マネジメント業務やリーダー業務を任せてもらえるようになるには、エンジニアとしての技術力が必要不可欠です。まずはスペシャリストになれるように経験やキャリアを積み、自分の得意分野をつくりましょう。
職種ではなく働き方となりますが、インフラエンジニアはフリーランスのエンジニアとして働くこともできます。フリーランスとは、会社員として働くのではなく個人で仕事を請け負って働く働き方のことです。業務内容自体は会社員と大きな違いはありませんが、フリーランスの場合は自分の好きな分野の案件のみを受けていくことができるメリットがあります。 フリーランスというと、好きな場所で好きな時間に働けるというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、インフラエンジニアの場合はサーバーやネットワークの機器を扱うことがあるため客先に常駐する案件が多い傾向です。サーバーをクライド環境に移行しているクライアントの場合はリモート勤務が出来ることもありますが、必要に応じて出社を求められます。 フリーランスでの仕事の幅は広く、設計・構築から運用・保守まで一貫で対応する案件もありますが、稼働中のインフラの運用・保守のみを求める案件もあります。 いずれの案件もフリーランスは会社ではなく個人で仕事を受注するため教育環境がありません。フリーランスを目指す場合もインフラエンジニアとしての実務経験を積んだうえでの独立をお勧めします。
IT業界は日々急速に進化しています。その技術に適応してインフラエンジニアとして長く活躍するために必要なスキルを紹介します。
クラウドとは、ユーザーがサーバーやストレージ等のソフトウェアを持っていなくても、インターネット経由でサービスを利用できるサービスのことです。近年ますます重要性を増しており、現在ではインフラエンジニアにとっては欠かせないスキルの一つとなりました。主要なクラウドプロバイダー(AWS、Azure、Google Cloudなど)の基本的なサービスや機能を理解するだけでなく、クラウドに最適化された技術や手法、インフラストラクチャー(基盤となるパソコンやサーバーなど)、セキュリティについても熟知する必要があります。技術や情報は日々アップデートされていますので、一度勉強して終わりではなく、継続して情報収集するようにしましょう。
仮想化技術は先ほど紹介したクラウドを支えている技術です。仮想化とは、ソフトウェアを利用し複数の仮想的なサーバーを、物理サーバー上に構築することです。物理サーバーはあくまで1台のみですので、CPUやメモリは1つですが、仮想サーバーごとにメモリやCPUを振り分けることができるので、それぞれの仮想サーバーを独立したサーバーの様に動作させることができます。 代表的な仮想化技術として、コンテナ型(Docker)やハイパーバイザー型(ESXi、Hyper-V、Xen)、ホスト型(VMware Player、VMware Fusion)が挙げられます。 仮想サーバーを仮想イメージとして保存することで、障害時のリカバリーが容易になるなどメリットが大きいです。そのため仮想化技術は幅広い領域で使用されており、身につけておくと良いでしょう。
プログラミングはインフラエンジニアにとって重要なスキルの一つです。プログラミングというと、開発エンジニアのイメージが強いかもしれません。しかしインフラエンジニアもプログラミングの知識を持つことで、サーバーの構築や設定を自動化でき繰り返しの作業などにかかる時間を削減できます。一度プログラムを作っておけば、時間指定でバックアップを取得する・・なども可能です。 特に、大規模システムのインフラ運用を行う場合では、プログラムによって自動化することで大幅に効率化することができます。プログラミングと自動化のスキルを身につけておくと良いでしょう。
インフラエンジニアとして働くために必ず取得しなければならない資格はありません。しかし、取得しておくと有利になる資格はあります。ここではオススメの資格を紹介いたします。
OSの一種であるLinuxシステム、サーバーなどについての知識や技術力を認定する資格です。Linuxを使用するインフラエンジニアは取得しておくと良いでしょう。 試験には、レベル1・レベル2・レベル3の3つの種類があります。
試験の種類として、レベル1・2は2種類、レベル3は3種類あります。レベル3はいずれか一つの合格及びレベル2の資格があれば認定されますが、レベル1・レベル2は2種類の試験に合格する必要がありますので、注意しましょう。
AWSとは、Amazon Web Servicesの略で、Amazonが提供するクラウドサービスに関する知識や技術を認定する資格です。AWSは、様々なクラウドサービスの中でも世界最大のシェアを持つと言われており、クラウドに関わるインフラエンジニアは取得することで様々なプロジェクトで活かすことができると言えるでしょう。 AWS認定は3段階のレベル分かれていますが、今回ご紹介しているソリューションアーキテクトは3段階の一番上、プロフェッショナルレベルの資格です。資格の内容としては、複雑な要件のなかで AWS のアプリケーションを設計、デプロイ、評価する能力を認定します。
シスコシステムズ社が認定するネットワークのスキルを証明する資格です。シスコシステムズ社の製品を扱う知識とスキル、ならびにコンピューターネットワークの導入・設定・運用など、インフラエンジニアに必要不可欠な知識とスキルを証明できます。 この資格も分野ごとに4段階のレベルに分かれていて、CCNAはエントリーレベルのアソシエイト、CCNPはプロフェッショナル向け、CCIEはエキスパート向けです。 最上位のCCIEは非常に難易度が高いですがその分価値も高い資格です。スペシャリストを目指す方は取得すると良いでしょう。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の一種です。 プロジェクトを成功に導くために必要なスキルや知識を問われる試験で、計画の立案から進捗管理、品質や納期の確保、組織運営、リスクマネジメントに関することが問われます。プロジェクトマネージャー を目指す人は取得しておくと良いでしょう。 こちらも合格率は決して高くない難易度の高い資格ですが、その分、資格を取得することで転職活動も有利になります。
先ほどのプロジェクトマネージャ試験と同様、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の一種です。企業の経営戦略に基づいて、事業を改革・高度化・最適化する基本戦略においてITを活用した戦略策定・提案・推進するための知識・スキルを問われます。ITコンサルタントを目指す場合には資格取得を目指すと良いでしょう。 試験のレベルとしては、プロジェクトマネージャ試験と同様に難易度の高い資格となっています。
インフラエンジニアに必要な資格・スキルについて解説しました。ここまで技術的なスキルにフォーカスを当てていましたが、インフラエンジニアとして活躍するためにはノンテクニカルなスキルも必要です。 ノンテクニカルスキルの中で、インフラエンジニアに必要なスキルを解説します。
コミュニケーション力はインフラエンジニアに欠かせないスキルです。 インフラエンジニアは、基本的にチーム単位で仕事をします。その時にチーム内で意思疎通の出来るコミュニケーション力が必ず求められると言っても過言ではありません。 また、上流工程に関わるようになってくると、クライアントに直接ヒアリングを行うこともあります。クライアントの潜在的な課題や要望を聞き出すスキルがあると仕事に活かすことができるでしょう。
インフラエンジニアに限らず、エンジニアに必要なスキルです。 IT業界は日々新しい技術等の開発が進んでいます。企業はその「新しい技術」に対応できるエンジニアを求めているので、自ら情報収集し新たな技術についても自ら学習することが必要になります。クラウドもここ数年で大きく発展したように、今持っているスキルが数年、数十年先まで使えるとは限りません。新たな知識やスキルを獲得するための努力を怠らないようにしましょう。
必須ではありませんが、英語力があると良いでしょう。インフラ関係でトラブルが発生した場合、それぞれの機器のマニュアルを確認します。その際に、マニュアルが英語で書かれているケースもあるため、マニュアルを読み解けるレベルの英語力があると、仕事をスムーズに進められるでしょう。
インフラエンジニアは、今後無くなる可能性の低い将来性のある仕事と言えます。昨今、AIの進化によりエンジニアを含む様々な仕事が代替されると言われていますが、インフラはその「AI」を支える基盤ですので、インフラエンジニアの仕事が全て取って代わられることは無いでしょう。 しかし、仮想化やクラウドが普及したように、新たな技術の開発が盛んな分野であることは事実です。求められるスキルに対応できなければ市場価値が下がってしまうことは間違いありません。市場価値の高いインフラエンジニアとなれるように、情報収集をしっかりと行い得意分野を作るようにしましょう。得意分野を元に、その後のキャリアパスを考えることも良いと思います。
インフラエンジニアのキャリアパスについて解説しました。インフラエンジニアは、実務経験を積んでいくことで自分の得意領域を作ることができ、それに合わせてキャリアパスを選択できます。様々な選択肢からどれを選択すれば良いのかお悩みの方は、是非トライアローにご相談ください。
私たちトライアローは、IT・通信・建設業に強い派遣会社です。インフラエンジニアの案件も全国で取り扱っておりますので、お仕事をお探しの方は是非お気軽にご相談ください。 スキルや条件のみならず、キャリアプランを共に考え、皆様のご希望や適正に合ったお仕事のご紹介を行っております。
全国のお仕事が探せます!エンジニアのお仕事を探してみる
自分のスキルに合うお仕事は?ブランクや未経験が心配…そんな方もご相談ください