CCNPの難易度はどれくらい?合格のステップや取得のメリットを解説

公開日:2025/05/23 最終更新日:2025/05/23

CCNPの難易度はどれくらい?合格のステップや取得のメリットを解説
CCNPの難易度や合格ステップを解説!CCNAとの違いや試験対策法、取得後の実務・年収アップのメリットも紹介します。キャリアの幅を広げるために、資格に挑戦してみましょう。

CCNPの難易度はどれくらい?

ネットワークエンジニアとしてキャリアアップを目指している方はCCNPの資格取得を考えたことのある方も多いのではないでしょうか。
CCNPを取得できれば、専門性の高さを証明できるだけでなく、実務で求められる幅広い知識も身につけられるため、転職や昇給、さらにはスキルの向上といったメリットが多く期待できます。しかし同時に「難易度が高い」という声も耳にすることが多く、どれほどの勉強量や知識が必要なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事ではCCNPの概要から合格率、難易度、そして合格に向けた具体的な勉強法と試験対策、さらには資格取得後にどのようなメリットがあるのかを網羅的に解説していきます。

資格の勉強にはまとまった時間と継続力が欠かせませんが、その道のりをしっかりと把握すれば、逆に計画を立てることで効率よく試験に挑むことができます。ネットワークエンジニアとして自分の市場価値を高めたい、あるいはより高度なプロジェクトで活躍したいと考えているのであれば、ぜひ最後まで読んでみてください。

CCNPとは

CCNPはCisco Certified Network Professionalの略称で、Ciscoが提供する認定資格の中でも中級から上級に位置づけられるものです。ネットワークの基礎を学ぶCCNAの次にステップアップする資格として位置づけられ、企業のインフラを支える高度なルーティングやスイッチング技術はもちろん、セキュリティや自動化、ソフトウェア定義ネットワークといった最新のトピックにも対応する知識が求められます。試験制度が改訂されるタイミングごとに内容がアップデートされるため、時代の変化に合わせた技術を身につけられる点も大きな魅力と言えるでしょう。


資格試験は分野ごとに複数の試験を受ける必要があるため、習得すべき範囲が広いと感じるかもしれません。しかし広範囲をカバーしているからこそ、合格を果たした段階で「自分はネットワークに関してある程度の実務レベルに達している」という自信を得ることができます。そのため、資格取得によって実務にも直結する即戦力が身につきます。このような背景により、この資格は多くの企業やエンジニアから支持されています。
参考記事:CCNP Enterprise 認定とトレーニングプログラム - Cisco

CCNPの難易度と合格率

CCNPは「難しい資格」という評価が一般的に浸透しています。しかし、それはただ漠然と難しいというわけではなく、試験範囲の広さや技術の深さ、試験形式の多様さなど、具体的な要因が関係しています。さらに、各試験の合格ラインをクリアするためには、単純な暗記ではなくネットワークに対する理解や実務経験も問われるため、ちょっとした勉強では到達しづらいレベルに設定されているのが特徴です。

一方で、合格できるだけの知識と経験を身につければ、業界内では高い評価を得られることも事実です。インフラエンジニアとしてのスキルを証明する明確な指標として、多くの企業がCCNPホルダーを優遇する傾向にあります。難易度の高さは避けて通れませんが、その分得られるリターンの大きさを考えれば、挑戦する価値は十分ある資格だといえるでしょう。

CCNPの合格率

公式に公表されている合格率はありませんが、比較的ハードルが高く合格率10~20%と言われています。そのため初回で合格を勝ち取るには、しっかりとした学習計画を立ててコツコツと勉強を続ける必要があります。しかし、独学だとしても体系的に学びきちんと演習を重ねれば合格が不可能というわけではありません。
なかには、実務経験が豊富なエンジニアがポイントを押さえつつ短期集中で合格するケースもあります。ただ、無計画のまま短期合格を目指すのは相当厳しいといえます。実際に勉強し始めてみると、CCNPが要求する知識の奥深さに改めて気づくことが多いからです。そのため、合格率はそこまで高くない一方で、地道に努力できる人であれば十分に合格できる資格という性質を持っています。

CCNAとの比較:どこが難しくなるのか

CCNAはネットワークの基礎を問う資格であり、ルーティングやスイッチングはもちろん、無線LANやセキュリティの初歩などを一通りカバーします。その延長線上にあるCCNPでは、より高度なルーティングプロトコルの設定やトラブルシューティングなど、実務ですぐに活かせるスキルが必要になります。たとえば、OSPFやBGPの詳細設定やパラメータの違いを正しく理解していないと対応できない問題が出題されることもありますし、設計レベルの知識を求められる場面も増えます。

また、論理的にトラブルの原因を推測し、限られた情報から解決策を導き出すような問題も含まれているため、ある程度の経験や演習量が必要になるでしょう。CCNAが「ネットワークの入り口」に立つための基礎知識を確認する試験だとしたら、CCNPは「プロとして一線で活躍するための総合的な実力」を測る試験という位置づけといえます。よって、CCNAはスムーズに合格したとしても、CCNPではしっかりとした対策が欠かせません。

CCNP試験の基本情報 ※2025年4月時点

CCNP試験は、ネットワークの高度な設定や管理に関する知識を測定する試験であり、特にネットワークの設計・構築・運用に関わる仕事をしている方にとっては重要な資格です。

CCNPの概要

受験方法 全国の認定テストセンターまたはオンライン試験
試験日程 随時
試験時間 合計210分(コア試験120分、コンセントレーション試験(選択)90分)
合格基準 非公開
受験料 コア試験$400 コンセントレーション試験$300
受験資格 無し(3~5年の実装経験を推奨)
出題形式
  • 選択問題(単一選択、複数選択)
  • 入力問題
  • ドラッグアンドドロップ問題
  • コマンド入力問題

CCNP試験の範囲

CCNP試験では、試験を受けるトラック(分野)に応じて求められる知識が異なります。
CCNP試験には5種類の分野があります。分野と詳細、それぞれの試験範囲をまとめました。
分野 評価する知識 試験範囲
Enterprise コアエンタープライズネットワーク技術
  • 15% アーキテクチャ
  • 10% 仮想化
  • 30% インフラストラクチャ
  • 10% ネットワークアシュアランス
  • 20% セキュリティ
  • 15% 自動化
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Data Center データセンター技術
  • 25% ネットワーク
  • 25% コンピューティング
  • 20% ストレージ ネットワーク
  • 15% 自動化
  • 15% セキュリティ
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Security セキュリティに関する知識
  • 25% セキュリティの概念
  • 20% ネットワークセキュリティ
  • 15% クラウドのセキュリティ対策
  • 15% コンテンツ セキュリティ
  • 10% エンドポイントの保護および検出
  • 15% セキュアなネットワーク アクセス、可視性、およびエンフォースメント
※詳しくはこちら
Service Provider 大規模インフラに関する知識
  • 15% アーキテクチャ
  • 30% ネットワーキング
  • 20% MPLS およびセグメント ルーティング
  • 20% サービス
  • 15% 自動化およびアシュアランス
※詳しくはこちら
Collaboration コミュニケーションツールとそのコラボレーション
  • 20% インフラストラクチャーおよびデザイン
  • 20% プロトコル、コーデック、および エンドポイント
  • 15% Cisco IOS XE ゲートウェイとメディア リソースグ
  • 25% コール コントロール
  • 10% QoS
  • 10% コラボレーション アプリケーション/li>
※詳しくはこちら

いずれの資格も有効期間は3年間となっており、3年経つと失効になってしまいます。失効させないためには新たに受験をし直す必要があります。

試験コースとその流れ

CCNP試験は、ネットワーク技術の基礎を押さえた内容であるコア試験に合格し、その後に専門的な知識を問うコンセントレーション試験を受ける必要があります。
コンセントレーション試験は選択式となっていて、特定の分野に関するより深い知識を問う内容です。各種類の試験毎に3~6種類の試験が用意されていて、1つを選択して受検します。

勉強法と試験対策:効率よく合格するためのステップ

CCNPは範囲の広さと専門性の高さから、一朝一夕では合格できません。だからこそ、効率的な勉強法を確立し、モチベーションを維持しながら進めることが成功の鍵となります。闇雲に参考書を読み漁るだけでなく、自分の目的や得意・不得意を分析しながら、学習計画を練ることをおすすめします。特に仕事と並行して学ぶ人が多い資格でもあるため、隙間時間の活用や目標の明確化が欠かせません。

学習資料は公式の試験ガイドだけでなく、技術ブログやオンラインコミュニティなども積極的に利用することで、より実務的な知識が身につきます。また、模擬試験や演習問題を数多くこなすことで、出題傾向や苦手分野を早めに把握し、学習効率を上げることも重要です。問題演習を通じて暗記だけではなく、実務の場面をイメージして理解を深められるように意識すると、本番でも対応力を発揮しやすくなります。

学習計画の立て方と参考教材

まずは試験日から逆算して、どの分野をいつまでにどれだけ学習するかを決めることが基本です。CCNPの試験範囲は広いため、自分がどのトピックにどれほど時間を割く必要があるかをあらかじめ把握しておくと、学習にムラが出にくくなります。トピックごとに理解度の進捗をチェックしながら進めれば、試験直前になって慌てるリスクも減らせるでしょう。

参考教材としては、Cisco公式の試験ガイドを中心に学ぶことで、試験に沿った知識を効率よく習得できます。加えて、わかりやすい解説や図解が豊富な市販の対策本や、動画で学べるオンライン教材も活用すると学習負荷を軽減しやすくなります。自分の理解が曖昧な部分を発見したら、複数の教材を突き合わせて確認し、納得がいくまで学習を深めていくと、スキルとして定着しやすいでしょう。

独学とスクールの比較


独学は費用を抑えながら自分のペースで進められるメリットがあります。仕事をしながら時間を見つけて学ぶ人が多いCCNP受験者にとっては、深夜や休日を活用できる独学スタイルが合うケースも少なくありません。ただし、わからない箇所を独力で解決する必要があるため、モチベーションが下がったり、学習の方向性がずれてしまったりするリスクも伴います。

一方、スクールに通えば、体系立てて教えてもらえるうえに、講師や仲間と学習の進捗を共有できるので、効率よく学習しやすい環境が手に入ります。ただし、通学や受講料が必要になる分、時間と費用の投資が大きくなる点は念頭に置く必要があります。仕事や生活リズムとの兼ね合いを考慮しつつ、自分が無理なく継続できる方法を選ぶことが大切です。

試験範囲の広さと対策のポイント

CCNPで問われるトピックは、ルーティングやスイッチングはもちろん、セキュリティやネットワーク自動化、仮想化技術など多岐にわたります。ネットワーク分野自体が進化するスピードの早い世界ですから、試験範囲もその変化に合わせてアップデートされてきました。そのため、従来のルーティングとスイッチングだけを理解していればよい、というわけではありません。

そうした幅広い分野に対応するためには、まず自分が得意とする領域と苦手な領域を洗い出し、要所に時間をかけて対策を進めることが重要です。全部をまんべんなく勉強しようとして中途半端になるより、必須のコアとなる知識をしっかりと固めつつ、試験範囲の周辺領域を補強するイメージで進めるほうが効果的です。特に苦手分野は放置していると後々大きな失点につながりやすいので、早い段階で確認しながら克服しておきましょう。

CCNP取得のメリット

難易度は決して低くないCCNPですが、その先にはキャリアアップや実務スキルの向上など、さまざまな恩恵が待っています。資格を取得することで、自分の知識と経験を客観的に証明できるため、転職や社内評価の際に強みとしてアピールすることができます。さらに、実務で活かせる知識が体系的に身につくことで、問題の原因を迅速に特定できるなど、日々の作業効率にも大きく影響するでしょう。

実務に役立つ

CCNPで学ぶルーティングやスイッチングの高度な設定方法、障害発生時の対応力は、企業のネットワークインフラを維持するうえで非常に重宝されます。多くの企業がLANやWANを活用し、大量のデータを扱う時代になったからこそ、ネットワークの安定性やセキュリティはビジネスの根幹を左右する重大なテーマです。資格取得までのプロセスで培ったスキルは、単なる座学にとどまらず、実務で即戦力として活かせるケースが多いのが大きなメリットです。

また、自分でネットワーク環境を構築する機会が少ないエンジニアにとっても、試験勉強の過程でシミュレーション演習を行うことで、トラブルシューティングやネットワーク設計の手順を実践的に学ぶことができます。結果として、業務で問題が起きた際に原因を突き止めるプロセスに自信が持てるようになり、周囲からの信頼も高まるでしょう。

最新のスキルを身に付けられる

Cisco資格は定期的なアップデートが行われ、最新技術が試験範囲に反映されることが特徴です。クラウドの活用やネットワーク自動化など、トレンドとなっている技術要素が試験に取り入れられるケースが増えており、資格勉強の過程で常に新しいスキルを身につけ続けることができます。古い知識だけでは通用しなくなるスピードが速いIT業界だからこそ、資格に向けた学習が新技術へのアンテナを張るきっかけにもなるのです。

そのような背景もあり、組織として最新技術の導入を検討している企業や、セキュリティ強化を図っている企業からは、常に新しい知識を取り入れられるCCNPホルダーの評価が高まる傾向にあります。資格そのものがゴールではなく、さらなる学習の入口であるという意識を持っているエンジニアが多い点も、Cisco資格の魅力を支える理由の一つでしょう。

年収が上がる可能性

ネットワークエンジニアを中心に、IT技術者の平均年収は年々上昇傾向にあります。特に専門性が高いエンジニアは人材不足の状態が続いており、転職や昇給時にCCNPのような資格を持っているかどうかで、企業からの評価が大きく変わることもあります。すでにエンジニアとしてある程度の経験を積んでいる人であれば、CCNP取得によってスキルを証明し、待遇改善やキャリアアップを実現するチャンスが増えるでしょう。

もちろん資格さえあれば絶対に年収が上がるというわけではありませんが、より難易度の高いプロジェクトへの参画や、リーダー的ポジションに就く際には大きなアドバンテージになります。実践力の裏付けとして扱われやすい資格であるからこそ、面接や社内評価の場面でも有利に働きやすいといえます。

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転職の幅が広がる

IT企業だけではなく、メーカーや金融、物流といった多様な業界で高度なネットワーク技術が求められています。世界的にクラウド化やDX推進が加速しているなかで、ネットワークの最適化やセキュリティ強化に投資する企業が増えているため、CCNPを取得していれば多彩な選択肢を検討できるのは大きな強みです。特に、大規模ネットワークを扱う企業やセキュリティに力を入れている組織では、高度なスキルを持つエンジニアの採用ニーズが高まっています。

また、海外拠点を持つ企業やグローバルに事業を展開している企業の場合、ネットワークの設計・運用を国や地域ごとに統一した基準で管理する必要があります。世界中で認知されているCiscoの資格を持っているエンジニアであれば、プロジェクトチームの一員として重宝される可能性も高まるでしょう。こうした背景を考えれば、CCNPがもたらす転職チャンスは想像以上に広範囲に及ぶといえます。

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CCNPを取得してキャリアの幅を広げよう

CCNPは難易度が高いからこそ、取得後に得られるメリットも非常に大きい資格です。ネットワークエンジニアとして、より専門性の高い分野で活躍したいなら、その一歩として挑戦してみる価値は十分にあります。資格取得を目指す過程で、ルーティングやスイッチングといったインフラの基礎から新しい技術トレンドまでをバランスよく学べるため、業務に直結する実践的なスキルが身につきます。そして合格を勝ち取れば、転職で有利になるのはもちろんのこと、社内での評価や自分自身の市場価値を高める際の明確なアピール材料ともなるでしょう。

忙しい日々のなかで勉強時間を捻出するのは簡単ではありませんが、その努力は確実に実を結びます。学習を進める過程で身についた知識は一朝一夕では忘れにくく、今後のキャリアを支える大きな武器となってくれるはずです。CCNP取得に向けて本気で取り組めば、自分の可能性や市場価値がどれだけ広がるのかを、ぜひ実感してみてください。

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