派遣と客先常駐(SES)の違いは?メリット・デメリットも解説!

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2024年03月19日

派遣と客先常駐の違いは?タイトル画像

IT業界では特にシステムエンジニア(SE)などの専門職において、派遣と客先常駐(SES)という働き方があります。呼び方が違うだけで同じと考えている人もいるかもしれませんが、派遣と客先常駐は実は別の働き方です。
本記事では、その違いやそれぞれの働き方のメリット・デメリットを解説いたします。これから派遣または客先常駐での仕事を考えている方は、自分のキャリアプランに合わせてどの働き方が適しているか考えてみましょう。

目次

派遣と客先常駐の違いは?

派遣と客先常駐(SES)は、IT業界でよく聞かれる働き方です。それぞれの働き方について説明します。

派遣とは

派遣は、派遣会社を介してその派遣会社とは異なる企業で仕事をする働き方です。
派遣元の企業と雇用関係となりますが、実際の仕事場は派遣先の企業です。派遣元企業との契約は、プロジェクト終了までの有期契約や、終了の時期を決めない無期契約などがあります。尚、派遣元企業と派遣先企業は派遣契約を結びます。

客先常駐とは

客先常駐(SES)も派遣同様、雇用されている企業を介しその会社とは異なる企業で仕事をする働き方です。SESとは、システムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)の略で、準委任契約とも呼ばれます。雇用されている企業から常勤で雇用されていることがほとんどです。派遣と同じく勤務先企業での業務遂行の対価として報酬を受け取ります。尚、勤務先企業と雇用元企業が準委任契約(SES契約)を結びます。

派遣と客先常駐の違い

ここまで説明した内容では、派遣も客先常駐もほとんど変わらない印象を受けた方が多いと思いますが、派遣と客先常駐の違いは指揮命令系統です。
派遣の場合、エンジニアに対して指揮命令する権利は派遣先企業が持っているのに対し、客先常駐(SES)では、エンジニアが所属している雇用元企業が指揮命令する権利を持っています。
客先常駐の場合、派遣先の企業はエンジニアに対して直接指揮命令をすることができないため、準委任契約を結んでいる派遣元企業を通じて行います。

派遣と客先常駐の違いの図解

どちらも、派遣元企業・雇用元企業を通じて派遣先・勤務先の企業で働くという点は変わりません。プロジェクト単位での参画となるためプロジェクトや業務に専念して働くことができます。

派遣・客先常駐のメリットは?

派遣と客先常駐(SES)の各メリットを解説します。

派遣のメリット

  • さまざまなプロジェクトに関われる
    プロジェクト単位での参画が可能なため、自分のキャリアプランに合わせてプロジェクト先(勤務先)を選ぶことができます。自分のキャリアプランに合わせたプロジェクトを選べる点もメリットと言えるでしょう。さまざまな企業やプロジェクトに参画し、広範な技術や経験を身につけたい方、まずは業務の経験をしっかりと積んでいきたい方にオススメの働き方です。
  • 派遣会社が適切な仕事を紹介してくれる
    働きながら次の仕事を探すのは大変ですが、派遣の場合は担当営業が付き、プロジェクトの終了時期が近づいた場合には次の仕事も紹介してくれます。要望も伝えられますので、次の仕事を効率的に見つけられます。
  • 勤務時間や期間を選択でき、自由度が高い
    フルタイムや時短、短期プロジェクトや長期プロジェクトなど、自分に合ったワークスタイルで働ける案件を探すことができます。仕事と私生活のバランスをとりやすく柔軟な働き方をしたい方にオススメです。

客先常駐のメリット

  • 未経験・初心者も入社しやすい
    客先常駐は雇用元企業に指揮命令する権利があるため、2名以上の複数人で同じ客先企業にいくことが多いです。この場合、1名管理責任者ポジションを置き、そのポジションから業務指示を貰い業務を行うということができるため、客先に常駐しているものの、雇用元企業の社員から指示や教育を受けることができます。そのため、未経験・初心者からでも教育環境のある職場もあり、未経験からでも挑戦しやすいと言えます。
  • 正社員雇用の場合、安定性がある
    客先常駐は雇用元の企業と正社員の雇用契約を結ぶことがほとんどです。たとえプロジェクトが終了になったとしても、雇用元企業との正社員契約は続きます。次のプロジェクトが決まっていない場合は待機期間が発生するものの、給料は担保されています。安定性は高いといえるでしょう。
  • 残業が少ないことが多い
    客先常駐は契約時に残業時間の取り扱いについても決められています。残業をすると、その分報酬額が割増となるケースが多く、客先企業はコストを抑えるために客先常駐のエンジニアに残業させないようにしているケースが多いです。

派遣、客先常駐に共通するメリット

ここまで紹介した派遣、客先常駐それぞれのメリットにも、双方に共通しているものもありますが、どちらにも共通して言えるメリットもあります。

  • 大手企業で働ける
    大手企業へ入社することは狭き門ですが、派遣や客先常駐として働けば、大手企業のプロジェクトに関わることも可能です。大手企業で経験を積み、人脈作りをしておくことで、その後のキャリアに活かせるでしょう。
  • 人脈を広げられる
    派遣や客先常駐はプロジェクト単位で参画ができますので、様々なプロジェクトで経験を積むことができます。そのプロジェクトごとに新たな人との接点を作ることができるので、人脈を広げられるでしょう。スキルや経験を評価されると次に仕事を探すときに声をかけてもらえるケースもあり、将来のキャリア形成の一助になります。
  • 人間関係などのわずらわしさが少ない
    派遣や客先常駐は、参画していたプロジェクトが終了すると別の会社の別のプロジェクトへ参画することとなります。そのため、派遣先や客先に苦手な人がいたとしても、別のプロジェクトに移ってしまえばもうその人と関わることはありません。人間関係でのわずらわしさは比較的少ないと言えるでしょう。

派遣・客先常駐のデメリットは?

続いて、派遣と客先常駐の各デメリットを解説します。

派遣のデメリット

  • 契約期間に制約がある
    有期雇用派遣の場合は、契約期間に制約があります。法律で明確に定められているため、安定した長期雇用を希望する場合には不向きと言えるでしょう。同じところで継続してキャリア形成をしたいと考えている場合は、無期雇用派遣を検討すると良いでしょう。
  • 安定性が低い
    有期雇用派遣の場合、プロジェクトが終了すれば雇用も終了となります。また次の仕事が見つかるまでは給料が無い状況になってしまうため、安定性が低いと言えるでしょう。無期雇用派遣の場合は、プロジェクトが終了後も派遣元企業との雇用は続くこととなりますが、同じく次の仕事を探す必要があります。次の仕事が見つかるまでの期間は待機期間と言い、給与支給はされますが、終業時の給与より安くなる場合もあります。この待機期間の給与額は会社や契約によって異なるため、確認が必要です。

客先常駐のデメリット

  • 自分の希望しない案件に配属となる可能性がある
    正社員雇用をされている場合、希望にマッチするプロジェクトが無いからとずっと待機期間となれるわけではありません。若干条件が異なるプロジェクトに配属となる可能性もあります。自分のキャリアプラン通りにいかない可能性があります。

派遣、客先常駐に共通するデメリット

  • 昇進や昇格の機会が少ない
    有期雇用派遣の場合、プロジェクトごとに給与が決まります。経験を積み、次のプロジェクトへ進むごとに給与が上がるケースもありますが、変わらない場合もあります。プロジェクトが変わると評価の基準が変わってしまうこともあるため、定期的な昇給、昇格は約束できないことも多いでしょう。
    また、無期雇用派遣や客先常駐の場合でも、決まった昇進や昇格が無いケースもあります。特に、給料を支払う立場である雇用元企業は、貴方が実際に働いているところを毎日見ているわけではありません。あくまで給与は労働時間に対する報酬となっており、明確な評価制度のない企業もあるようです。
  • 派遣先・客先企業の文化に順応する必要がある
    所属は雇用元の企業ですが、勤務するのは派遣先・客先の企業です。そのため、雇用元の企業とは異なる企業文化であっても順応する必要があります。ひとくちに開発業務と言っても、企業によりやり方や要求する内容が異なります。それらのやり方に合わせて仕事をしていくことが求められるでしょう。
  • プロジェクトが頻繁に変わることもある
    プロジェクトベースで働くことになるので、一つのプロジェクトが完了すると新たなプロジェクトへ移動します。そのたびに職場環境や仕事内容が変わりますので、新たな職場環境への適応に労力を要することをデメリットと感じる方もいます。

派遣SEと客先常駐SEどっちが良い?

ここまで、派遣と客先常駐の働き方について解説しました。しかし、どちらの方が良いということは無く、何を重視して働きたいかによって向いている働き方は異なります。
自分がどのように働きたいか、どのようなキャリアプランを描きたいかによって選ぶと良いでしょう。

エンジニアとしてのキャリアを成功させるための秘訣

IT分野は人手不足と言われていますが、そのような環境でも自分が望んでいるキャリアを実現することは簡単ではないと思います。
キャリアプランを成功させるための秘訣の一つとして、継続してスキルアップを目指すことが挙げられます。IT分野は新しい技術が継続的に登場するため、学習が必須です。流行技術や業界トレンドを把握することも求められるでしょう。
派遣や客先常駐の働き方は、多様な業界・プロジェクトの経験ができるという点で就職市場の需要に適したスキル準備ができるともいえます。

キャリアプランに悩んだら

また、経験が浅い場合などは、自分がどのような働き方が向いているかわからないというケースもあると思います。その場合は、お気軽にトライアローへご相談ください。
トライアローは、IT・通信・建設業に強い派遣会社です。これからエンジニアとして転職活動をしたい、これまでの経験を活かしてもっと条件の良い案件に移りたい、等のご希望を基に、条件にあうプロジェクトをご紹介しています。また、エンジニアとしてのキャリアについて悩んでいる方への、営業担当によるキャリア相談も行っております。
エンジニアとして新たなキャリアを歩みたい方、挑戦したい方は是非お気軽にご相談ください。

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