通信分野の仕事内容と今後の将来性

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2023年05月01日


スマートフォンの普及により、通信分野の注目が集まっています。しかし、「通信業界とは、具体的にどのような仕事をしているのか分からない」「キャリアのイメージがつかない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、具体的な業務内容の一部や通信業界の将来性などについて、ご紹介します。

目次

通信分野の仕事とは

今や子どもからご年配の方までスマートフォンを持っているという、情報端末が日常生活に密着した時代。盛況が続く通信業界ですが、通信分野の仕事というのはどういったものがあるのでしょうか。ここでは、具体的な仕事内容と通信業界の現状をご紹介していきます。
そもそも通信業界とは、通信や電波に関わるサービスを行う業界です。一口に通信や電波といっても、様々な種類があります。

  • 固定通信
    固定電話や固定回線を用いたインターネット回線等を指します。自宅内へケーブルを物理的に引き込み、屋内で使用されるケースが多いです。
  • 移動体通信
    携帯電話やスマートフォン、PHSなどモバイルにおける通信サービスのことです。移動体通信は、移動しながらでも途切れることなく安定した通信を行うことができる通信方式を指します。
  • その他電気通信に付帯するサービス
    固定通信、移動体通信に分類されない電気通信を指します。空・陸の無線などがこの分類となります。

固定通信や移動体通信を提供するのが、ISP(インターネットサービスプロバイダー)です。インターネットの接続サービスを提供する事業者のことで、通信を行うための回線や設備を整備しています。

先ほど挙げたように「通信」には様々な種類がありますが、「通信分野の仕事」にもさまざまな業務があります。
今回はISPでの職種について、技術系の職種と事務系の職種で分けて紹介します。

技術系の職種

電気通信工事/設備設計

通信サービスを提供するための有線、無線の電気通信設備の設置や電話回線の工事を行います。実際に現場で工事を行う役割の他にも、通信設備の設備図面の作成を行う役割や、その通信回線工事の現場管理を行う役割、通信回線の開通のオペレーションを行う役割など、様々ポジションが存在します。

電気通信工事・設備設計に関して詳しく知りたい方はコチラ

システムエンジニア

通信や社内システムの設計、構築、運用、またさまざまなサービスや、社内業務に関わるシステムの設計や開発、運用、保守を行います。
顧客のニーズを満たせるような商材やサービスの開発・企画を行うため、顧客へのニーズヒアリング等コミュニケーションも必要となります。

システムエンジニアについて詳しく知りたい方はコチラ

ネットワークエンジニア

ネットワークの設計、開発、運用、保守などを行います。通信業界では特に無くてはならないポジションで、24時間利用できるネットワークを構築、運用することで人々の生活を支えています。平時だけでなく、イベント時など通信障害の発生が予測される場合に事前の対策も行います。

ネットワークエンジニアの仕事について詳しく知りたい方はコチラ

研究開発

新たな通信技術の開発やより快適に通信を行えるような研究を行います。次世代通信方式(5G、6G)等からIoT、AIなど幅広い研究を行っています。競合他社も多いためスピード感のある開発が求められています。

データサイエンティスト

顧客の動向や市場等、いわゆるビッグデータの分析を行います。分析したデータを、企業戦略などの意思決定に活用します。

事務系の職種

営業

toBと言われる法人向けとtoCと言われる消費者向けの2つがあります。
法人向けの営業は、通信企業が持つ端末やクラウドサービス等の商品や商材を企業に紹介し、その企業の事業をサポートします。
消費者向けの営業は、携帯ショップなどの販売店にて販売戦略を考えたり課題解決を行ったりすることで、売上向上のサポートを行います。

マーケティング

トレンドや市場状況の把握を行い、それを基に顧客のニーズをリサーチし、それに合ったサービスや商品の企画を行います。その他、自社サービスを知ってもらうための戦略なども考えます。
IT化が進むことで、5G等の次世代通信方式の開発が進んでいます。そういった新しい技術やトレンドをいち早くキャッチし、サービスを展開します。

経理

会社のお金の流れの記録を行います。
具体的には日々の売上から、給与や交通費などの支払いなどの会計処理です。また、年次の決算業務も経理が行っています。

広報

社内向けと社外向けの広報があります。社外向けの広報は、事業活動報告や事業方針発表などを行い、自社の認知度や好感度の上昇を目指します。社内向けの広報の場合、社内に対して企業のビジョンや戦略を浸透させ、社員の意識統一を目指します。

人事

人材の採用や教育、評価設計など、企業内の人材にまつわる業務を全般的に担当します。新卒採用と中途採用、人員配置等細かく人事内で担当業務が分かれていることがあります。

法務

法律・司法に関する業務を行います。契約書の確認や社内ルールの整備、損害賠償などのトラブルがあったときの対応などが主な業務となりますが、高い専門性を求められます。

実際のキャリアパス

先ほど紹介した職種のうち、特にイメージの湧きにくい技術系の職種について、キャリアパスの例や関連する資格を紹介します。

電気通信工事/設備設計

電気通信工事/設備設計の場合は、担当している業務によりキャリアが異なります。しかし、業務をまたいでのキャリアパスもあります。
電気工事の現場工事担当から、現場をまとめる施工管理担当者となり、責任者、そして施工管理部門全体の責任者というキャリアパス等です。

関連する資格としては、電気通信主任技術者、1級 電気工事施工管理技術検定などが挙げられます。電気通信主任技術者は、ネットワークを構成する設備によって「伝送交換主任技術者」と「線路主任技術者」の2つに分かれています。
また、移動体通信の普及により無線による通信が増えていますが、無線通信は有線通信よりも妨害などの影響を受けやすい電波なため、通信品質を安定させるのが難しいと言われています。もともと通信キャリアなどでは電気通信事業者の登録以外に無線局を開設するための免許が必要で、無線局を開設するために陸上無線技術士の資格を持っている無線従事者を確保し続けなければならないとはなっていますが、実際、無線通信の業務に関わる上でも、こういった不安定な無線通信に携わるためには、無線に関する資格を持っていることが必要と言われています。

システムエンジニア/ネットワークエンジニア

メンバーとしてプロジェクトへ参加することから始まり、プロジェクトリーダーやマネージャー等の部門での主任者、そしてさらに上流を担当する責任者、管理者というキャリアパスの他に、システムエンジニアとして専門性を高めて現場のプロフェッショナルを目指すキャリアパスもあります。

関連する資格としては、応用情報技術者試験、プロジェクトマネージャー試験などがあります。常に進歩を続ける通信業界で仕事をするのであれば、ネットワークやITに関する資格を持っていることに越したことはないです。

研究開発

研究開発のキャリアパスは、大きく分けて2つになります。研究開発から始まり、チームリーダーなどを経て研究者全体を束ねる管理職になるケースと、研究開発の技術者のスペシャリストとなり、専門の研究に専念するポジションです。管理職となると、予算や経営企画にも関わってくるため、研究より全体のマネジメントをすることが多くなります。

関連する資格としては、電気通信主任技術者や第二種電気工事士などが挙げられ、電気・通信関連の資格を持っていると良いです。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、関連性のあるプログラミング言語やデータベースに関わるSEやマーケティング職からキャリアをスタートさせ、キャリアアップとしてデータサイエンティストになるケースが多いです。データサイエンティストとしては、部門のマネージャーなどのキャリアパスがありますが、その他に経営コンサルタントなどへのキャリアもあります。

関連する資格としては、データサイエンティスト検定やOSS-DB技術者認定試験などがあります。

通信業界における今後の動向

通信業界には、物理的な回線を引き決まった場所でのインターネット接続を行う「固定通信」と、移動中のインターネット接続を提供する「移動通信」があります。いわゆる光回線などは「固定通信」に入り、「移動通信」は5Gなどのことです。

固定通信市場と移動通信市場、どちらも成熟してきていると言われていますが、近年の在宅需要などにより契約者は増えている傾向にあります。
特に、固定電話の加入者は減少傾向にありますが、スマートフォンの保有状況は世帯で88.6%、個人で74.3%とここ数年で大きく伸びています。(出典:総務省通信利用動向調査・令和3年)また、同じ調査によると20代~40代の90%以上がインターネットを利用していて、通信機器の高い需要がうかがえます。
このように、急速に発展した通信業界に対し、新たな技術を開発・維持・改善するための専門家は不足していると言われています。今後もますます新たな通信方式やサービスが求められると見込まれますので、特に開発サイドの即戦力人材については需要が高まるとみられています。

通信業界における課題

通信業界における課題や懸念として、携帯電話の料金値下げがあります。各社新料金プランを発表するなど、価格競争に直面しています。さらに高速インターネットの普及により利益率の減少も懸念されています。
今後、開発人材の不足もあり市場の成長速度は鈍化していくことが見込まれていますが、新たに携帯電話市場に参入してきた企業はユーザーが増え続けている等、新規の勢いもあります。新たなサービスを生み出していくことが課題となっています。

通信業界で働くなら

ここまでお伝えしてきたように、通信業界は新たな通信方式の開発など最新の技術に触れることも多いです。そのため、どのようなポジションであったとしても、新たな技術についての勉強などは必要になるといえます。消費者のニーズやトレンドも変わりますので、常に市場をキャッチし柔軟に対応していくことが求められます。

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