CAD職業訓練が注目される理由は?メリットやコース選びのポイントも解説

公開日:2025/06/06 最終更新日:2025/06/06

CAD職業訓練が注目される理由は?メリットやコース選びのポイントも解説
CADを使った設計や製図の仕事は、建築や製造など幅広い業界で必要とされており、近年は業界全体のIT化やリモート化の流れに伴ってさらなる需要の高まりが見込まれています。そんななか、未経験からでも専門知識や操作スキルを体系的に学べる場として注目されているのが職業訓練です。 実習を通じて着実に技術を身につけられるだけでなく、就職サポートを受けながら転職を目指せるため、手に職をつけたい人やキャリアチェンジを考えている人にとって大きなチャンスとなっています。

CAD職業訓練が注目される理由

今まで手書きや簡易的なソフトで行われていた図面作成が、近年はデジタル化によって大幅に効率化されており、多くの企業が本格的なCADオペレーターを必要とするようになりました。特に建築やインテリア、機械設計などではCADの活用が急速に進んでおり、エンジニアやデザイナーの補助を行うオペレーターの役割がますます重要視されています。

CADが活用される業界一覧

こうした需要に対して企業が求めるスキルを、短期間でまとめて学べるのがCAD職業訓練の特徴であり、未経験者でも基礎からしっかり習得できることから、多くの人の関心を集めているのです。

▼未経験からCADオペレーターを目指す方はこちらの記事も是非ご参考ください。

CAD職業訓練のメリット

CAD職業訓練を受講するメリット図解

CAD職業訓練のメリットは以下のとおりです。
  • 低コスト・無料
  • 手厚い就職サポート
  • 実務レベルのスキル習得
これらのメリットの理由について、詳しく解説します。

低コスト・無料

CADの職業訓練は国や自治体が就労支援の一環として運営している場合が多く、授業料が低めに設定されていたり、場合によっては無料で受講できることもあります。失業保険を受給しながら通える制度や、教育訓練給付金を利用できるコースもあり、経済的な負担を抑えつつスキルを身につけたい人にとって大きな魅力です。

手厚い就職サポート

専門学校やスクールとは異なり、職業訓練ではハローワークや自治体と連携した就職支援が手厚いことが特徴です。履歴書や職務経歴書の書き方指導から面接対策までサポートを受けられたり、企業とのマッチングの機会が用意されていたりすることもあります。訓練期間中に身につけた技術をしっかりアピールできる環境が整っているので、未経験スタートでも就職や転職に踏み出しやすいのが強みです。
もちろん、自身で就職活動を行っても問題ありませんので、並行して自分でも仕事を探す人がほとんどです。こうしたサポートがある事で心強いのは間違いないでしょう。

実務レベルのスキル習得

職業訓練では、業界でよく使われるCADソフトを中心に操作方法を学びながら、実際の図面や設計書を扱う実習形式のカリキュラムが組まれています。現場に近い内容の演習を繰り返すことで、理論だけでなく実践的な作図スキルを短期間で習得できるのが大きなポイントです。具体的な製図ルールや業界独自の慣習なども併せて学べるため、就職先でも即戦力として活躍できる基盤を築きやすくなります。
注意が必要なのは、職業訓練を受けることでCADの基礎技術を身につけることは出来ますが、すぐに一人前のCADオペレーターになれるというわけではありません。就職が決まってからも業務に合わせた知識・実技の習得は必要になるので注意しましょう。

CADの職業訓練を受講する注意点

次にCADの職業訓練を受講することはメリットだけではなくデメリットもあります。 CADの職業訓練を受講する際の注意点について解説します。

週5日受講する必要がある

CADの職業訓練は、通常週5日、月曜日から金曜日にわたって受講する必要があります。これには、午前8時から午後5時までの時間帯での参加が求められることが一般的です。
このため、家庭の都合や体調不良などで継続的に通うのが難しい場合もあります。訓練の期間は通常6ヵ月程度とまとまっているため、他のスクールや就職活動との両立が難しい場合があります。
もし途中で就職先が決まった場合には退校も可能ですが、所定の時間を全て受講しないと十分なスキルが身につかない可能性があります。そのため、週5日、決められた時間に通えるかどうか事前にしっかり確認しておくことが大切です。

選考試験を受ける必要がある

CADの職業訓練を受けるためには、選考試験を通過しなければなりません。
この試験は、書類審査や面接などが含まれ、選考基準は明示されていないものの、「意欲的に就職活動に取り組む姿勢」や「CADの職業に対する明確な目的意識」が重視されます。
特に人気のコースでは倍率が高く、選考を通過するためには事前の準備が重要です。試験に合格しなければ受講ができないため、試験対策をしっかり行ってから臨むようにしましょう。

企業の内定をもらえるわけではない

CADの職業訓練を受けること自体が直接的に就職を保証するわけではありません。
職業訓練を通じてCADに関する知識やスキルを身につけることはできますが、企業の採用選考では、知識やスキルに加えて、人柄や一般常識、企業との相性などが大きな要素となります。
そのため、職業訓練を受けたからといって、必ずしも内定をもらえるわけではないことを理解しておくことが大切です。就職活動を行う際には、訓練だけでなく、面接対策や筆記試験の準備も併せて行うことをおすすめします。

CADの職業訓練で失敗しないコース選びのポイント

CAD職業訓練でのコース選びのポイント図解

CADの職業訓練で失敗しないコース選びのポイントは以下のとおりです。
  • 受講期間
  • 講師の質
  • 就職サポートの有無
  • ソフトの種類
各ポイントについて、詳しく解説します。

受講期間

受講期間は数週間の短期集中型から、半年以上かけてじっくり学ぶものまで幅広く存在します。
できるだけ早く就職したい人は短期で集中して学べるコースを選ぶ傾向がありますが、操作や設計知識にまったく触れたことがない場合は、ある程度余裕をもって基礎から学べる期間を確保したほうが安心です。自分の学習ペースや生活スタイルに合った長さを検討することで、最後まで学び続けられる環境を整えることが重要になります。

講師の質

CAD職業訓練は国や自治体の支援事業だけに限らず、委託された民間スクールで行われているケースも多いため、講師の経歴や指導実績には差が出ることがあります。
業界経験が豊富な講師であれば、ソフトの使い方だけでなく現場で生じやすいトラブルや実際の業務フローなども教えてくれます。受講前に講師の経歴や評判をリサーチし、可能であれば見学や説明会などで直接質問してみると、よりリアルな情報を得やすいでしょう。

就職サポートの有無

CADの職業訓練では、受講後の就職支援がどれだけ手厚いかが大きな分かれ道になります。履歴書の書き方や面接対策に加え、実際に就職先を紹介してくれる制度があると、未経験でも就職活動がスムーズに進むことが多いです。
求人の紹介実績やサポート体制については、公式の案内だけでなく、過去に受講した人の口コミや評判も参考にすることで、より確かな情報を得ることができます。

ソフトの種類

CADと一口に言っても、建築系に強いAutoCADや建築設計に特化したRevit、機械設計の現場でメジャーなSOLIDWORKSなど、活躍する分野によって使われるソフトは異なります。
将来的に働きたい業界がすでに決まっているなら、その分野で主流のソフトを学べるコースを選ぶと実務に直結しやすくなります。逆に、まだ業界が絞り切れていない人は、複数のソフトを扱う講座や、汎用性の高いCADを中心に学べるコースを選ぶのも一つの方法です。
業界が決まっておらず未経験の場合には、汎用的且つよく使われるソフトとして、autoCADのコースを受講することがオススメです。autoCADは無料でダウンロードできるソフトですので、自己学習もしやすいです。

▼CADの種類について詳しく知りたい方はこちら

受講から就職までの具体的な流れ

受講から就職までの具体的な流れは以下のとおりです。
  1. 申し込み
  2. 受講開始
  3. スキル習得
  4. 就職支援
  5. 面接・内定
それぞれについて、詳しく解説します。

申し込み

まずは最寄りのハローワークや自治体の職業訓練窓口、または訓練を委託されているスクールの募集要項をチェックします。申し込みには居住地や雇用保険の受給状況などの条件が必要になる場合があるため、自分の状況を確認しながら手続きを進めることが大切です。応募書類や説明会への参加などが求められるケースもあるので、余裕を持って準備しておくとスムーズです。

受講開始

受講が決まったら、指定の日時に通学またはオンラインでの授業に参加し、最初のオリエンテーションを受けます。ここでスケジュールの詳細や使用するテキスト、ソフトのバージョンなどが明確に示されるため、不明点があれば早めに質問して解決しておきましょう。特にソフトのインストール方法やパソコンのスペックなどは授業前に整えておくと学びやすくなります。

スキル習得

カリキュラムが始まると、CADソフトの基本操作からはじまり、実際の図面を引きながら演習を重ねていくことになります。最初は操作に慣れるために小さな図面やパーツを作図することが多いですが、回数を重ねるごとに複雑な設計や3Dモデリングへと進んでいくイメージです。もしわからない箇所や自分のペースに合わない部分があれば、その都度講師に相談しながら進めることで、理解不足を抱えたまま次のステップへ進まないようにしましょう。
また、ソフトによってはYouTube等の動画サイトに操作解説の動画が多く上がっています。これらを活用し、分からない箇所や応用の勉強を自分で進めるとより良いでしょう。

就職支援

学習中からハローワークやスクールの就職支援が動き出し、履歴書や職務経歴書の書き方、面接でのアピールポイントなどを指導してくれることが一般的です。CADの経験を強みにできる企業の求人情報を紹介してくれる場合もあるので、自分の希望と合致する職場があれば積極的に応募してみましょう。職業訓練では、クラスメイト同士の情報交換で有益な求人を知るケースもありますから、コミュニケーションを取ることも大切です。
もちろん、スクールやハローワーク以外で就職活動をしても問題ありません。CADオペレーター未経験からの第一歩として、派遣での仕事を選ばれる方も多いです。
派遣と聞くと不安定なイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、予め期間を決めて働くことができるので、未経験業界への転職にはとてもオススメな働き方です。職場が合わない場合には別の職場のお仕事を派遣会社から紹介してもらうことが可能ですので、メリットも多い働き方です。

▼派遣でCADオペレーターのお仕事を探したい方はこちら

面接・内定

実習で培ったスキルや課題作品、授業で得た知識を踏まえて面接に臨むことで、自信を持ってPRできるようになります。CADの操作だけでなく、仕事に対する姿勢や業界への理解も評価のポイントとなるため、講師や就職支援担当者からアドバイスをもらいながら準備を進めましょう。内定後は入社のスケジュールや条件面をしっかり確認し、円滑に新しい職場でのキャリアをスタートさせることが大切です。

CADの職業訓練を活かしてキャリアアップをめざそう

CADの職業訓練を受講することで、未経験からでも業界で必要とされる操作技術や設計知識を着実に身につけられます。就職後に業務経験を積み重ねていけば、より専門性の高い分野で活躍したり、資格取得を目指したりといったキャリアアップの選択肢も広がります。学んだスキルを武器に転職市場でのアピール材料を増やし、手に職のある安定した働き方を実現するためにも、ぜひ積極的に職業訓練を検討してみてはいかがでしょうか。

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