汎用機とは?汎用系とオープン系の違いは?システム開発について解説!

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2024年03月22日

汎用機とは?タイトル画像

汎用機という言葉を聞いたことはありますか?汎用機という言葉を知らなくても、汎用系、オープン系という言葉を聞いたことがある人はいるかもしれません。
今回は、汎用機がどのようなものなのか、汎用系、オープン系エンジニアとはどのような職種を指すのか、解説いたします。

目次

汎用機とは?

汎用機とは、簡単に言うと企業の基業務用の大型コンピュータのことです。企業の基幹業務システムに用いられるもので、メインフレーム、ホストコンピュータ、汎用コンピュータなどと呼ばれることもあります。銀行や保険会社、政府機関等大規模なデータを扱う企業・機関に設置されていて、膨大なデータを超高速で処理できることが特徴です。
現在普及しているパソコンやスマートフォンが普及する前である1980年ごろまでは、汎用機のコンピュータが主流でした。特徴は様々な用途に利用できることで、汎用機以前のコンピュータが使用目的のみに使える専用機となっていましたが、事務処理・計算などソフト次第で様々なことに使えるのが「汎用機」です。

汎用系とは?

「汎用機」だけでなく、「汎用系」「汎用系システム」という単語も聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

「汎用系」とは、汎用機やこの後説明をする汎用系システムのことを指します。そして、「汎用系システム」とは、汎用機に蓄積された膨大なデータを処理するシステムのことです。
このシステムの開発や運用保守を行うエンジニアを、「汎用系エンジニア」と呼びます。

汎用系システムを使用した開発例

汎用系で開発されるシステムの一例を紹介いたします。

  • 銀行、証券会社、クレジットカード会社など金融機関向けのシステム
  • 各種公的機関など社会インフラ向けのシステム
  • 物流・製造業などの流通管理システム
  • メーカーなどの生産管理システム

特徴として、大規模なデータを扱う、機密性が求められるものに汎用系システムが使用されています。セキュリティ性の高さや1つの機器で開発が完結することから「クローズド」とも呼ばれます。
COBOLという言語を用いて開発されることが多いです。

オープン系とは?

「汎用系」を調べると「オープン系」という単語も出てくることが多いです。
「オープン系」とは、いわゆるパソコンを使用して開発するシステムのことで、「オープン系システム」と同義です。汎用系は汎用機を用いて開発しますが、オープン系はパソコンを用いて開発を行います。パソコンを使用するため、OS、プログラミング言語などを様々なベンダーの製品から自由に選択してシステム開発を行うことができます。

オープン系システムを使用した開発例

オープン系で開発されるシステムの一例を紹介いたします。

  • メールを送受信するメールサーバ
  • ECサイトのアプリケーション
  • 社内の営業・販売支援システム

特徴として、インターネット接続を前提としたシステム開発に使用されています。柔軟性に優れていて、公開されている技術やソースコードを組み込んで開発することもできます。また、汎用系システムに用いる汎用機と比べてオープン系システムで用いるパソコンは安いため、管理・維持コストを削減できるのも強みです。近年は汎用系からオープン系に移行する企業もあり、そのような動きをマイグレーションと呼びます。
Java、Pythonなどの言語を用いて開発されます。

Javaについて詳しく知りたい方はこちら
Javaエンジニアとは?仕事内容や必要なスキル、資格を解説!

汎用系、オープン系の違いは?

ここまで説明した通り、汎用系システムとオープン系システムは、システム開発に用いるコンピュータが異なります。
汎用系は大規模な金融機関や公共機関など安定性と信頼性が求められる分野で活用されることが多く、オープン系は自由度の高い開発ができる点から業務アプリやサービスアプリなど様々な開発で活用されています。

汎用系・オープン系のメリット・デメリット

汎用系のメリット

  • ハードウェア性能が高く、大規模なデータを高速処理できる
  • 機密性が高く、外部からの攻撃を受けにくい
  • 長期間にわたり安定して稼働することができる

オープン系のメリット

  • 初期導入コストが低く、導入しやすい。
  • 柔軟性が高く、最新の技術動向を取り入れやすい
  • 様々なハードウェアやOS、と互換性を持ち、機能や仕様の調整がしやすい

汎用系のデメリット

  • 導入するために多大なコストがかかる
  • 特殊なスキルを必要とするため、扱えるエンジニア数が減少している

オープン系のデメリット

  • 安定性に劣り、システムのアップデートなどに合わせたメンテナンスが必要
  • 様々なシステムを用いると複雑性が増し、開発に必要となる知識の幅が広い

汎用系・オープン系エンジニアの業務内容

では、それぞれのエンジニアの業務内容に違いはあるのでしょうか。
どちらも24時間365日稼働しているもので、開発から運用、保守等が主な業務内容です。しかし、開発に用いるコンピュータ、プログラミング言語などが違います。

オープン系のエンジニアは、市販パッケージやオープンソースを活用しシステムの設計、開発、運用、保守等を行います。現在は無料で公開されているOSや言語が多くありますので、どれを用いて開発を行うか、企業や組織のニーズに寄り添った開発が求められます。

一方汎用系のエンジニアは、汎用機を製造しているメーカーのオリジナルのソフトウェアを活用しシステムの設計、開発、運用、保守等を行います。そのため、各汎用機に使用されている言語の知識が無いと開発できません。また、データの大量処理やセキュリティの高さが求められることが多く、その領域にも精通している必要があります。

汎用系・オープン系のエンジニアに求められるスキル

汎用系・オープン系両方に言えるのは、ITに関する基礎知識が求められるということです。プログラミング言語についてはもちろんですが、データベース、セキュリティ、サーバ、ネットワークなどの知識が求められます。そのため、ここから汎用系・オープン系エンジニアを目指す場合はまずはITについて勉強をすると良いでしょう。
また、ITに関する知識・技術以外にもコミュニケーション力が必要です。汎用系、オープン系どちらも開発は一人ではなくチームで行います。チームメンバーや、開発を依頼したクライアント、さまざまな立場の人と適切なコミュニケーションが求められます。

汎用系・オープン系エンジニアの将来性

汎用系エンジニアの将来性

昨今オープン系システムの開発を始める企業が増えています。汎用系を選択しない理由の一つとして、汎用系エンジニア不足が言われています。汎用系エンジニアはCOBOL等の汎用機のみで使えるプログラミング言語を用いるため、新たに学習をする人が少ないのが現状です。
しかし、大手の金融機関や政府機関などでは、機密性や処理性能の高さから汎用機が使用されており、汎用系エンジニアの技術力が必要とされています。そのため、特に技術力のあるエンジニアは今後も一貫した需要が見込まれるでしょう。
ただし、オープン系の開発を進める企業が増えているのは事実のため、需要の尽きない汎用系エンジニアになるには、一定の技術力や経験が求められると言えます。自分のキャリアプランを考えて、マネジメントやマイグレーション業務など、新たな分野へチャレンジしていくと良いでしょう。

オープン系エンジニアの将来性

オープン系エンジニアの市場は、デジタル化が進む昨今急速に進展しました。インターネットサービスの開発、スマートフォンのアプリケーション開発、クラウド環境の構築等、様々な分野での需要が増えています。
エンジニア不足と言われていますが、特に最新の技術トレンドに対応できるエンジニアが必要とされています。IT業界は日々新たな技術の開発が進んでいますので、絶えず学び続けると良いでしょう。新技術を素早く学び取り、それを自身のスキルに結びつけることで、エンジニア市場で高い価値を保つことができます。常に最新の知識を追求し、臨機応変な対応力を身につけましょう。

まとめ

汎用機、汎用系とオープン系のそれぞれの違いについて解説しました。それぞれにメリットデメリットがありますが、エンジニアとしてはどちらもまだまだ需要があると言えます。
自分がどのようなシステムを開発したいか、エンジニアとしてどのように働いていきたいかを考え、キャリアを選んでいくと良いでしょう。

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エンジニアとして新たな挑戦したい方、スキルを活かしたい方は是非お気軽にご相談ください。

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