電気設備設計とは?電気・設備の仕事内容と資格について解説!

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2023年04月12日


ビルや施設内に血管のように張り巡らされている電気設備は建築物にとって欠かせないものです。
ここではそんな電気設備に関するさまざまな仕事の内容と、電気設備業界における求人動向について解説します。

目次

電気設備設計とは?

建物内の電気設備に関する設計を行う仕事を電気設備設計といいます。
電気設備設計の業務は、設計事務所などが作成した建物の設計図書をベースに、照明やスイッチ、コンセント等の目に見える設備のレイアウトから、配線や受変電設備などの外からは見えない設備の設計を考え、「電気設備図」として完成させることです。セキュリティ設備や火災報知器、通信設備など電気を使用する設備にはほとんど関わっているといえます。
手がける建物は、住宅やビル、商業施設、病院から防災設備など、多岐に渡ります。建物内で快適に過ごすためには、照明、空調、コンセントなどを適切な位置に配置する必要があり、発注者の要望を汲み取って適切な配置を考えなければなりません。

また、「電気設備図」についても、発注者や施工者に設計の意図が伝わり、かつ安全性や法規コストも考慮して作成する必要があります。
電気工事の基本となる部分を担当するスペシャリストであり、常に需要の高い仕事です。

電気設備設計の仕事をするためには、資格は必要?

電気設備設計の業務を行うために必ず必要な資格はありません。
しかし、電気設備設計をしていくうえで、電気の専門知識と設計の知識が求められます。そのため、その二つに関連する資格を取っておくと、業務への理解が深まるだけでなく、仕事の幅が広がります。
今回はオススメの資格を紹介します。

電気工事士

自家用・一般用電気工作物における工事に従事できる国家資格です。電気設備設計に従事する人の多くが資格を取得しています。
第一種と第二種があり、第二種は受験資格もないため挑戦しやすい資格といえます。

電気工事施工管理技士

電気設備施工(工事)における工程や品質、安全面などの管理を行うための国家資格です。1級と2級があり、施工現場に必ず置かなければならないと定められているので、需要も非常に高いです。
電気設備設計士は実際に工事を担当することはありませんが、工事における知識を身につけることで電気設備図を作成する際に活かすことが出来ます。

受験資格として実務経験または電気工事士資格が必要となりますので、電気工事士資格取得後に受ける方が多いです。

建築士

建築物の設計や工事管理を行うための国家資格です。電気設備では、非常用・防災用の設備設計を行うために一級または二級建築士の資格取得が必要になります。
合格率は一級で10%前後、二級で20%前後と難易度は高くなっていますが、設計できる幅が広がるため、キャリアアップをしたい方には適しています。

電気設備設計で求められるスキル

必須の資格はありませんが、電気設備設計の仕事をする上で、必要となるスキル・知識はあります。

コミュニケーション力

最も重要なスキルの一つです。
電気設備の設計を行う上で、建物の発注者や設計者、電気機器メーカーなど多数の関係者と打ち合わせを行います。建物の構造やデザインなどとの細かな調整が必要となるため、相手の意図を汲み取る力が求められます。
また、電気設備設計についての説明を求められることや、電気的に不可能なことを要求される場合もあります。その時に、電気についての知識がない人にもわかりやすいような説明や、代替案の提示が必要となります。聞く力と話す力どちらも求められるといえます。

電気に関する知識

電気に関する知識は最低限として求められることが多いです。先ほど紹介の資格を取得しているまたは、関連する学科を卒業していることが求人の条件となることもあります。
関連する学科を出ていない人でも、資格取得のための勉強をすることで知識を身につけることが出来るので、ご安心ください。

CADの操作スキル

設備図を作成するために、「CAD」と呼ばれるPC上で設計図を作成するソフトを使用します。設備図の作成は設備設計の仕事に欠かせないため、必要なスキルの一つです。2Dと3DのCADがありますが、まずは平面図面を作成する2DCADから勉強すると良いです。

電気設備設計の年収

電気設備設計の年収は、400万~700万程度といわれています。
金額に幅がありますが、経験年数やスキル、任せられている業務範疇によって変わります。資格を取得していなければ設計できない設備などもあるため、個人の技術力や知識次第で年収を大きく上げることもできるといえます。
また、任せられる業務や年収は企業の規模によっても大きく変わります。

電気設備設計のやりがい

・日常生活や暮らしを支えられる
電気設備は日常生活に必要不可欠な存在といえます。そのような電気設備に関われることは、人々の暮らしを支えられるという点でやりがいがあるといえます。
その分責任の重い場面もありますが、設計に関わった建物が出来上がったときには大きな達成感があります。

・自分次第で、出来る業務の幅や年収を上げることができる
先ほどの通り、関連する資格や取得することで業務の幅が広がる資格があります。自分の頑張り次第で業務の幅や評価(年収)を上げていくことが出来るので、着実にキャリアアップをしていきたい方にはオススメです。

・フリーランスとして働くこともできる
業務経験を積めば、フリーランスとして設備設計のみを業務委託で請け負って仕事をすることもできます。税金などの管理を自分で行う必要がるなどの大変な面もありますが、自分の好きな時間で働くことが出来るのはメリットと言えます。

他の電気設備業界の職種紹介とそれぞれの仕事内容

電気設備業界には電気設備設計以外にも様々な職種があります。その一例を紹介いたします。

積算

積算とは、電気工事で図面に基づいて工事費を算出することをいいます。
これは主に入札を行うときに提出するもので、いかに落札に有利で、しかも赤字にならない価格を導き出せるかがポイントになります。
図面を見て設備や配線を拾い出すか、パソコンの専用ソフトを使って概算を出して参考にすることもあります。
営業からの依頼があれば見積もりの計算も行います。
作業は地味ですが、工事の受注に直結し、なくてはならない仕事です。

施工管理

電気工事では営業所ごとに専任技術者を置き、
また建設工事現場には主任技術者、監理技術者を置かねばならないという決まりがあります。
施工管理担当者は主にこの役割を担って電気工事の管理・監督を行います。
仕事を行うには電気工事施工管理技士という資格が必要で、
中でも1級電気工事施工管理技士は専任技術者、主任技術者、監理技術者の
いずれかの業務にも就くことができるため非常に需要が高く、また難関資格となっています。
業界内の需要は非常に高く、転職などにも強い仕事でもあります。

施工図作成

施工図は電気工事の職人や現場作業者が実際に施工するために必要な図面のことです。
設備設計担当者が作成した電気設備図を元に、作業者にわかりやすく必要情報を伝えるための図面を描き起こします。
工事を行う際に必ず必要な物なので、この技術を持つ人は電気工事会社などで重宝されます。

保守・メンテナンス

電気設備の定期的な点検作業、メンテナンス、保守作業を行う仕事です。
蛍光灯など照明器具の点検や交換なども作業のうちに入ります。
異常があれば原因調査や修理、部品交換を行います。緊急時には急いで駆けつけて作業をすることもあります。
保守・メンテナンスを専門に行なっている業者のほか、電気工事会社がこうしたサービスを行っていることもあります。

CADオペレーター

CADオペレーターは設計図などの図面を描く仕事パソコンや専用マシン用のCADソフトを使って作業を行い、「電気設備図」などを作成します。
専門学校などで技術を修得することができ、女性も多い仕事です。

今後の需要、将来性

電気設備業界は建築、土木などと密接に関連した業界です。
建物があれば必ず電気設備工事が必要で、建築が始まると同時に仕事が発生します。
オフィスビルはもちろん、デパートやショッピングモール、アミューズメント施設などの商業施設、工場プラント、駅などの公共施設でも大掛かりな電気設備工事が必要となります。

現在、インフラの老朽化が進んで刷新の必要に迫られている建物が多く存在し、再開発が進んでいます。こうした状況によって、建築・土木業界の人材不足が言われていますが、それに続いて電気設備業界にも急激な人材不足が起きることが危惧されています。

電気設備業界ではもともと慢性的な技術者不足が続いています。
最近ではとくに若年層の業界離れが深刻化しており、経験のあるシニア層を呼び戻す動きも目立っています。
また、若い未経験者を採用して育成しようという動きも見られ、人材に対する需要は非常に高くなっています。

仕事を求めている人、手に職をつけたい人などにとっては、この業界は今まさに狙い目といえます。
電気設備の仕事に少しでも興味があるなら門戸を叩いてみてはいかがでしょうか。

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