文部科学省が推進『ICT教育』取り組みとは-- メリットや課題について紹介 --

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2023年07月11日

コロナ禍で全体的にオンラインが加速していく中、『ICT教育』という言葉は聞いたことがあるけど、実際はどんな教育なのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、ICT教育について説明していきます。

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目次

ICT教育とは

ICT教育のICTとは『Information and Communication Technology』の略であり、『情報通信技術』という意味で、今までアナログで行っていた教育のデジタル化のことです。
具体的には電子黒板、パソコンやタブレットの端末や電子黒板やプロジェクターなどのデジタル器機の導入、インターネットを介した学習支援ツールの活用などを行う教育の総称です。

ICT教育の背景として、文部科学省が推進している「GIGAスクール構想」が大きく関わっています。
教育現場において、児童・生徒へ1人1台のPC・タブレット端末を支給し、ICT環境の設備を目的とした計画です。

GIGAスクール構想についてはこちら

文部科学省が掲げるICT教育

『教育の情報化に関する手引(令和元年12月)』の中で下記が挙げられています。

【情報教育の 3 観点 8 要素】
情報活用の実践力

・課題や目的に応じた情報手段の適切な活用
・必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造
・受け手の状況などを踏まえた発信・伝達

情報の科学的な理解
・情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解
・情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解

情報社会に参画する態度
・社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解
・情報のモラルの必要性や情報に対する責任
・望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度

文部科学省 教育の情報化に関する手引

現代では、身近にインターネット環境があり、スマートフォン・タブレット端末を利用が日常となってきました。
Society 5.0 (※1)時代に生きる子供たちに必要な情報活用能力の育成でしょう。

※1 Society 5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)。内閣府の第五期科学技術基本計画にて定義。

新型コロナウイルスの流行による影響

当初の予定としては、ICT教育はGIGAスクール構想と同様に5年ほどの歳月をかけて構築する計画でしたが、新型コロナウイルスの流行により緊急事態宣言の発令により、多くの企業も休業や時短営業などがされ、全国の学校も例外ではなく一斉休校が余儀なくされました。
学習の遅れを心配される中、対策として行ったのが、オンラインツールを使用した非対面式の授業や自宅での学習を取り入れることになり、ICT教育のデジタル化は加速されました。

ICT教育でのメリット・デメリット

ICT教育を推進するにあたってのメリット・デメリットを紹介します

メリット

授業内容の変化とITリテラシーの育成

今までは、授業を教える側と授業を受ける側となっていましたが、デジタル化により動画や音声など使用し、教科書の文字情報だけの授業ではなくなることで、今までと異なる授業形態が実現できるため、授業の幅が広がります。
また、黒板と教科書、ノートを使用した限られた勉強方法ではない授業方法の変化は、児童・生徒の興味や関心を高めることができるためモチベーションや理解度も向上します。
また、PCやタブレット端末の基本的な操作の仕方やキーボードによる入力、インターネットの仕組みなどが授業を通じて学ぶことができます。

デジタル化

デジタル教科書などのデジタル化された教材は、インターネット環境と端末があれば、いつどのタイミングでもデータを取りにいくことにより学習が可能となります。
実際に教科書を常に冊子で持ち歩かないことで、通学時の成長期の身体への負担の軽減も考えられます。

教員の負担軽減

教員もICT教育を推進することで、紙媒体の書類や問題を用意していた教員にとって、電子データでの準備に変化することより、準備などの多くの時間軽減することが可能です。また、児童・生徒とのやり取りもアプリやシステムを介してのやり取りが増えるため、提出物の期限や欠席した児童・生徒などの伝え忘れなども防ぐことができます。

デメリット

ICT教育のメリットが多い中で、新しい授業形態には課題も多くあります。

PC・タブレット端末機器利用にあたっての懸念点

落とすなどの物理的な破損や端末操作での「動かない」「使えない」などのトラブルです。
そういったトラブルが発生すると、サポートなどに回る必要があるので、授業の進みが滞ってしまうため、少しずつ進めていく必要があります。

「考える力」が鍛えにくい

インターネットが普及しているため、問題に対する答えや考え方をすぐにインターネットで調べる事ができます。
このような状況では、思考力や粘り強く物事を取り組む力を鍛えにくくなるため、授業についても、情報整理や思考力を鍛えることのできるような授業編成が必要となってきます。

ICT教育に関するお仕事をしたい場合はどうすれば良い?

これまでICT教育について紹介しましたが、経験を生かしてICT教育に携わるお仕事がしたい!という方もいるのではないでしょうか。
ICT教育を推進するにあたって、「ICT活用教育サポーター」「ICT支援員」という支援制度があります。

ICT活用教育サポーターとは

主な業務としては、ICT環境整備の計画や端末・ネットワーク等の調達方法、セキュリティ対策、ICT活用に関する助言などの支援を行います。
アドバイザー対象者:大学教授や先進自治体職員など、教育の情報化の知見を有する者

ICT支援員とは

4校に1人分の支援員の配置を推進
主な業務としては、授業計画の作成支援、ICT機器の準備・操作支援。校務システムの活用・メンテナンス・研修などの日常的な教員のICT活用の支援を行います。
支援員対象者:業務に応じて必要な知見を有する者

「ICT活用教育サポーター」「ICT支援員」のどちらも一定以上の知見を持っていると働くことができます。当社でも多数お仕事がありますので、ご希望の場合はお気軽にお問い合わせください。

まとめ

今回は、ICT教育についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今までの授業形態とは異なりますが、ICT機器を上手に使用することで授業の幅も広がり、個人に合わせた環境 での学習も可能となります。
当社でも、様々なお仕事がありますので、お仕事を探している方やご興味がある方は、ぜひご検討ください。

お仕事をお探しの方

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