第3級陸上特殊無線技士とは?資格の難易度や取得する方法を解説!

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2023年04月14日


陸上の業務無線局に従事するときや、業務ドローンを扱う場合に必要になる資格が「陸上特殊無線技士」です。転職の際に有利になることを考えて、取得を検討している人もいるのではないでしょうか。そこで、今回は、第3級陸上特殊無線技士の資格について、難易度や試験内容、取得することで期待できるメリットなどを解説していきます。

目次

第3級陸上特殊無線技士とは

第3級陸上特殊無線技士とは、総務省が定める無線従事者の国家資格のことです。陸上特殊無線技士は、第3級陸上特殊無線技士の他に第1級陸上特殊無線技士と第2級陸上特殊無線技士、そして国内電信級陸上特殊無線技士があります。これらは、陸上無線局において無線設備の技術的な操作を行うために必要な資格です。

そして、ここであげた4種類の資格は、それぞれに操作範囲が違います。第3級陸上特殊無線技士の操作範囲は、空中線電力50ワット以下の無線設備で、2万5010キロヘルツから960メガヘルツまでの周波数の電波を使用するものです。空中線電力100ワット以下の無線設備で、1215メガヘルツ以上の周波数の電波を使用するものも、第3級陸上特殊無線技士の操作範囲になります。

第1級・第2級陸上特殊無線技士と操作範囲の違いは?

では、第1級陸上特殊無線技士と第2級陸上特殊無線技士とはどのように違うのか、それぞれの操作範囲を説明していきます。

第1級陸上特殊無線技士の操作範囲

第1級陸上特殊無線技士が操作できるのは、陸上の無線局の空中線電力500ワット以下の多重無線設備であり、かつ30メガヘルツ以上の周波数の電波を使用するものです。第3級陸上特殊無線技士やその上の第2級陸上特殊無線技士よりも操作範囲が広がるため、通信事業や放送関係に携わる人がよく取得しています。第1級陸上特殊無線技士を持っていると多重通信が可能になります。ただし、アマチュア無線設備の操作はできません。

第2級陸上特殊無線技士の操作範囲

第2級陸上特殊無線技士資格で可能なのは、陸上で使用する無線局の無線設備の外部の転換装置であり、電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作です。操作範囲の周波数や空中線電力に制限があるものの、さまざまな業務での活躍が可能になります。例えば、VSAT小規模地球局やコミュニティ放送局、気象レーダー、警察の速度取締レーダー、公共事業の無線局などが該当します。ただし、第1級陸上特殊無線技士資格同様、アマチュア無線設備の操作はできません。

第3級陸上特殊無線技士の資格試験について

では、第3級陸上特殊無線技士の資格を取得するにあたって知っておきたい、難易度や試験内容を説明していきます。

難易度

第3級陸上特殊無線技士の合格率は、7〜8割程度です。受験者のほとんどがゼロから勉強している状態ですが、それでも半数以上が合格できています。そう考えると、取得が容易な資格と考えていいでしょう。試験の難易度は低く、勉強すれば中学生でも合格できるレベルといわれています。講習会でじっくり学べば1日でも合格は可能ですし、独学の場合でも数週間程度勉強すれば合格できる程度です。

難易度が低い理由の1つとしては、計算問題がほとんどないことがあげられます。まれに計算問題がある場合でも、中学生で習うレベルの公式に当てはめるような問題しか出題されません。陸上特殊無線技士という言葉を聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、実際には中学生レベルの学力があれば合格は可能だということです。そのうえ合格の定員数もないので、勉強さえすれば合格できます。

試験内容

陸上特殊無線技士の試験内容は、法規と無線工学に分けられています。無線工学で出題されるのは、主に計算問題です。電子工学の一分野として、知識と公式に基づいた計算を行います。ただし、第3級陸上特殊無線技士の場合、計算問題はあまり出題されません。割合が多いのは暗記問題です。そのため、事前にじっくり勉強して覚えておけば合格は十分可能でしょう。

第3級陸上特殊無線技士の試験内容では、法規に力を入れておく必要があります。法規については、電波法から出題されるのが一般的です。試験内容は、ほとんどが過去問とほぼ同じような問題が出題される傾向が見られます。選択肢を多少変えるなどの違いがある程度なので、過去問をじっくり行うなどの対策をすれば、合格は可能です。

第3級陸上特殊無線技士を取得するメリット

資格を取得することで得られるメリットを理解しておくと、どのような場面で必要になるのか判断しやすくなります。そこで、第3級陸上特殊無線技士を取得するメリットを紹介していきます。

ドローンを飛ばして収益を上げることが可能

第3級陸上特殊無線技士を取得しておけば、ドローンを飛ばして収益を上げることが可能になります。ドローンの登場によって撮影の幅が広がっているのは事実です。しかし、操作さえ覚えれば誰でも安易に飛ばせるというわけではありません。ドローンを業務で活用したり、空撮動画配信をしたりするときは、第3級陸上特殊無線技士の資格が必要不可欠です。

YouTubeで動画配信をしている人や、今後の予定として考えている人の中には、ドローンによる空撮を視野に入れている人もいるでしょう。しかし、動画を収益化するには資格がなければなりません。資格を持っていれば、ドローンで空撮した動画をYouTubeで配信し、収益を得ることも可能になります。空撮する場所によっては、撮影許可が必要になることもあるでしょう。そのような場合も、第3級陸上特殊無線技士を持っていることが前提です。必要な資格を有していないと、交渉自体難しいといえます。

就職が有利になる

2つめのメリットとしてあげられるのは、就職が有利になることです。第3級陸上特殊無線技士を持っていると勤務が可能になるのは、携帯電話メーカーの中継局や基地局、テレビやラジオの中継局、さらに警察局などがあります。これらに就職するときに第3級陸上特殊無線技士の資格を持っていれば、有利に働くでしょう。

さきほど紹介したドローンでの空撮にしても、さまざまな業界で取り入れています。例えば、宿泊施設や神社、観光地などの案内動画として空撮するケースは増えていますし、結婚式の撮影などもドローンを使うことでこれまでにない演出が可能になります。こうしたサービスを提供する企業への就職にも、第3級陸上特殊無線技士の資格があると有利です。次世代の通信技術として5Gが導入されていますが、将来的にはさらに6Gの導入も予想されます。そうなれば、さらに多くの技術者が必要になります。

国家試験を受けずに陸上特殊無線技士になることもできる!

説明してきたように、第3級陸上特殊無線技士は難易度の低い資格といえます。しかし、合格率は7割以上といっても、合格できない人がいることも事実です。陸上特殊無線技士に興味を持つ人の中には「国家資格である以上、やはりハードルが高いのではないか」と考えている人もいるかもしれません。実は、国家試験を受けることなく陸上特殊無線技士になることも可能です。

陸上特殊無線技士を取得するには、通常は公益財団法人日本無線協会の実施する国家試験を受験します。ところが、協会が行う試験を受験する以外に、、国の認定を受けた養成講座を受講し、修了試験に合格することで取得することも可能、なのです。トライアローでは、独自で「第1級・3級陸上特殊無線技士」の養成課程を実施しています。54時間の講座を受けた後、試験に合格できれば国家試験を受験する必要はありません。就職を控えていて資格を取得しておきたい人にも、向いている方法です。

養成講座を受講して陸上特殊無線技士の資格を取得しよう!

陸上特殊無線技士の資格を取得しておくと、ドローンを使った空撮などの動画配信で収益を得ることが可能になります。携帯電話メーカーの中継局などへの就職も、有利になるでしょう。国家試験を受けることに抵抗があるなら、トライアローの養成講座を受けるという選択肢もあります。電子書籍と音声によって自分のペースで学んでいけるので、興味を持ったら養成講座に申し込んでみましょう。

トライアローではeラーニングで第3級陸上特殊無線技士の資格取得が可能!


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