仕事や転職に有利な電気・設備の資格~電気主任技術者~

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2015年09月28日

転職を考える皆さんにお届けしているトライアローラボコラム企画ですが、今回は「仕事や転職に有利な電気・設備の資格~電気主任技術者~」と題しお送りします。

電気主任技術者という資格の名前を耳にしたことあるでしょうか。あるいは、「電験○種」と略称の方がよく知られているかもしれません。この資格の企業ニーズは高く、取得すればさまざまなフィールドで活躍することが可能になります。今回は電気主任技術者の資格と仕事内容について解説します。

「電気主任技術者」とは?

電気主任技術者とは、取得することでビル、施設、工場など、高圧電気施設の管理・保全を行うことができるようになる国家資格です。わが国では電気事業法によって、事業目的で使用される電気工作物(発電所や変電所、大型ビルや工場に設置する機会・器具・電線路等)の工事、維持・運用には必ず保安監督を行う電気主任技術者を選任することが定められています。

電気主任技術者には取り扱う電圧によって第一種、第二種、第三種の3種類があります。以下がその区分です。

第一種電気主任技術者

すべての事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。

第二種電気主任技術者

電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。

第三種電気主任技術者

電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。

オフィスビルや商業施設など一般的な建物では、このうち第三種を取得していればほぼ対応できます。しかし、高機能化している昨今のビルや大型ショッピングモール、駅といったの公共施設、工場等では第二種以上のニーズも高まっています。この仕事に就くなら、まずは第三種から取得して、第二種、第一種とレベルアップいくのが一般的です。

第三種の合格率は8.4%(平成26年度実績)※と第二種は毎年の合格者が350名程度の難関資格です。第一種はそれ以上といえます。
※参考:(財)電気技術者試験センター http://www.shiken.or.jp/situation/s-chief02.html

「電気主任技術者」になるには?

電気主任技術者になるには、受験資格は特になく、学歴・年齢・性別・国籍などの制限もありません。

第一種、第二種、第三種電気主任技術者においても、それは同様です。

電気主任技術者の取得までの流れは、(財)電気技術者試験センターが実施する試験に合格しなければなりません。試験は筆記試験のみで、1次試験、2次試験に分かれています。科目は理論、電力、機械、法規、電力・管理、機械・制御と多岐に渡るため、幅広い知識と経験が必要になります。

取得後のキャリア形成は?

電気主任技術者の資格を持つ者はさまざまな業種の会社に就職が可能です。

ビル管理会社、施設管理会社では、それぞれ管理するビルや施設に電気主任技術者を置く義務があります。メーカーの工場では高圧の電気設備の運用管理を電気主任技術者が担います。また建物などの工事を行う際にも、建物内に電気を供給するために電気主任技術者を常駐させることが課せられます。

このように、電気主任技術者が活躍するフィールドは多岐にわたっています。さらにこの資格を取得して5年以上の実務経験を積めば、「電気管理事務所」を開業し、個人で企業からの委託を受けて仕事をすることも可能となります。

今後、ビルや施設の大型化や複合化はさらに加速度的に進んでいくと考えられます。それに伴って電気設備の重要度も増していくでしょう。取得するには相応の努力を要することは確かですが、電気主任技術者はそれだけにチャレンジしがいのある魅力的な資格であるといえるのではないでしょうか。


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