ネットワークエンジニアのキャリアパスは?ゼネラリスト・スペシャリストとは?

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2023年07月21日


ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計や構築、運用などを行う職種です。社内インフラに関わるため非常に需要が高く、人気職種の一つとなっています。今回は、そんなネットワークエンジニアのキャリアパスについて解説します。

目次

ネットワークエンジニアとは?

ネットワークエンジニアは、コンピュータや通信ネットワークの導入、運用、保守、管理、調整、更新等を行うITエンジニアです。
インフラエンジニアという単語を聞いたことある人もいるかもしれませんが、インフラエンジニアはネットワークを含めインフラ全般に携わるのに対し、ネットワークエンジニアはネットワーク領域に特化しています。

仕事内容

  • 設計・構築
  • ネットワークの設計・構築を行います。顧客が何を目的にどのようなシステムを構築したいかをヒアリングし、それを元にネットワークの構成や使用機器、回線などを考えます。コストやバックアップルートも考えながら仕様を固め、設計書を作成します。それに基づいてネットワークの構築を行い、稼働のテストを行います。

  • 運用・保守
  • ネットワークは導入を行えば、そこで終わりではありません。導入後は「運用・保守」を行います。ネットワーク機器の故障が発生した際には、障害がどこで起きているのかを特定し、復旧作業を行います。また、企業の人員状況などに合わせ新たに回線やルーターを増やす作業も行います。

ネットワークエンジニアとしてキャリアを積む場合、まずは「運用・保守」業務から担当し、その後、上流工程である「設計・構築」業務にステップアップしていくことが多いです。「設計・構築」を担当するようになると、クライアントと直接のコミュニケーションをとる機会も増えます。具体的には、要望のヒアリングや、仕様の説明などです。業務の一つとして、このような開発以外の業務もあります。

ネットワークエンジニアのキャリアパスは?

では、ネットワークエンジニアのキャリアパスにはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は、先ほど説明をした「運用・保守」業務から「設計・構築」業務へステップアップしたのキャリアパスについて説明します。
まず、キャリアパスは、大きく分けて2種類に分かれます。

  • ゼネラリスト系
  • スペシャリスト系

ゼネラリスト系

ゼネラリストとは、幅広い分野の知識やスキルを持つ職種のことです。「全体的」「全般的」という意味を持つ、英語の「general」が語源となっています。
エンジニアでは、特定の分野に偏った知識・技術ではなく幅広い知識を兼ね備えている人のことで、インフラ周りの業務をすべて担えるエンジニアや責任者のようなポジションを指します。

スペシャリスト系

スペシャリストとは、特定の分野に特化したスキルや知識を持つ職種のことです。「specialist」は英語で「専門家」という意味を持ちます。
エンジニアでは、特定の分野に専門特化しその分野の技術力を高め、現場で第一線として活躍していくポジションを指します。

それぞれの特徴

ゼネラリストが「広く浅く」だとすると、スペシャリストは「狭く深く」となります。お互い得意な分野が違うためどちらが上、下というのはありませんが、それぞれに向いているタイプがあります。自分が得意なことを元にキャリアを考えると良いでしょう。

ゼネラリストに向いている特徴

  • 多趣味でいろいろなことに興味を持つ
  • まとめ役のようなポジションをやることが多い
  • 相談されるなど、人から頼られることが好き
スペシャリストに向いている特徴

  • 一つのことに熱中しやすく、探求心が強い
  • 集中力があり、はまったらとことん追求する
  • 誰にも負けない得意分野がある

ゼネラリストとしてのキャリアパス

ゼネラリストとしてのキャリアパスの例をいくつか紹介します。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーとはその名の通り、プロジェクトにおける責任者です。プロジェクトのスケジュール管理やクライアントとの調整、マネジメントを行います。
直接技術的な業務をする機会は多くないものの技術的な知識が求められ、且つスケジュール管理力やコミュニケーション力、マネジメント力が必要です。

ITコンサルタント

エンジニアではなくコンサルティングがメインとなるIT系職種です。クライアントの課題をヒアリングし、ITシステムを使って解決へのコンサルティングを行います。
プログラミングができなくてもなることができる職種ですが、エンジニアとして経験を積んでおくことで説得力のある提案ができるようになります。クライアントとのコミュニケーション力やプレゼンテーション力、マネジメント力が必要です。

インフラエンジニア

ネットワークエンジニアの領域であるネットワークの設計・構築・運用・保守に加え、サーバーの設計・構築・運用・保守など、IT基盤を全般的に扱います。ネットワークエンジニアと比べるとより広い分野での知識が求められますが、共通する内容も多いためネットワークエンジニアの次のキャリアとして考えやすい職種といえます。

スペシャリストとしてのキャリアパス

スペシャリストとしてのキャリアパスの例をいくつか紹介します。

ネットワークスペシャリスト

その名の通り、ネットワークに関するスペシャリストのポジションで、ネットワークエンジニアの上位ポジションといえるでしょう。ネットワークに関する高度な知識・スキルが求められ、企画、要件定義、詳細設計から運用まで一通りの開発経験が必要となります。
「ネットワークスペシャリスト試験」という国家試験もありますので、その資格取得を目指しても良いでしょう。

セキュリティエンジニア

ネットワーク設計の中で特に重視されるのがセキュリティです。サイバー攻撃やウイルスなどの対策を行うセキュリティ面に特化した職種です。
ネットワークやインフラ全体の知識に加え、セキュリティ対策やリスクマネジメントのスキルが必要となります。

テクニカルサポートエンジニア

特定製品に特化した知識やスキルを持つ職種です。自社製品やCisco製品などに対して深い知識・スキルを持ち、その製品に対しての問い合わせへ対応する職種です。
問い合わせは社内・社外どちらの可能性もありますので、コミュニケーション力が求められます。

未経験からのキャリアパス例

実際にネットワークエンジニアとしてスタートを切った後のキャリアパスはどのようになるのでしょうか。基礎的な仕事は何年程度必要か?技術力はどのように活かせるのか?技術の他に必要なスキルは?年収は?
未経験でスタートしてから5年目までの一例をご紹介します。

スタートからの1年

まずは、就職先を探すところからのスタートです。現在、大小さまざまな企業が独自のネットワークを構築しています。そして、それに比例してネットワークの監視・運用の仕事が増えています。そのため、未経験を受け入れる門戸は開いていると言えるでしょう。
しかし、完全な未経験からの就職は容易ではありません。動画やアプリを使用したプログラミング講座や、プログラミングスクールも増えていて、未経験からでもプログラミングの勉強ができる環境が整ってまいりました。
やる気ももちろん重要ですが、それを示す行動の一つとして、少しでもITやネットワークに関する勉強をすると良いでしょう。

未経験から就職した場合、最初は「運用・保守」業務をメインに行うことが多いでしょう。企業によりますが、研修を受けながら先輩社員の補佐を務めるケースが多いようです。実際の仕事の流れを通して、障害時の対応やネットワーク導入後の効果検証を担っていきます。
この期間に学ぶ内容にネットワークエンジニアに欠かせない要素が含まれています。
顧客対応することでコミュニケーションスキルを磨き、ユーザーの求めているものを理解する能力を身に付けるとよいでしょう。

ネットワークエンジニア3年目までに

最終目標となる「設計・構築」に必要なのは技術力ばかりではありません。ユーザーのニーズを理解し、そしてプレゼンテーションできるコミュニケーション力が必要不可欠なのです。顧客のニーズをリアルに感じ取れるのは「運用・保守」を担っている時だといえます。

3年目程度までは「運用・保守」技術力の不安ばかりにとらわれがちですが、最初の3年間で学ぶべきことは多岐にわたります。そして、その間にいくつかの資格取得を目指しましょう。
基本的なものとしてはCisco資格の「CCNA」「CCNP」「CCIE」があります。
更にITILの「ファンデーション 」の取得です。ITIL資格は、ITサービスの運用という分野において大きな強みになります。
これらの資格を取得できるだけの知識と技術が備われば、「設計・構築」に携わることができるでしょう。

3年目以降

3年目以降は、「設計・構築」に携わりつつ「提案」を担うようになっていく時期です。具体的にはユーザーの要望を調査することから始まります。どういったネットワークシステムを求めているのかを探り出し、的確に分析・提案していきます。これまで培ってきた技術力とコミュニケーション能力が試されます。
このあたりから、ゼネラリスト・スペシャリストによりキャリアが分かれてきます。
ゼネラリストとして設計・構築・提案業務等の上流工程へ、スペシャリストとして現場の第一線の道へなど、それぞれのキャリアへ進んでいきます。

キャリアアップに必要なこと

ネットワークエンジニアの仕事に就けば自動的に、先ほどのようなキャリアプランを歩めるということではありません。キャリアアップをするためには、自分の進みたい方向性に加え、現在地の整理も必要です。キャリアアップするためのポイントを解説します。

自分のスキルの把握

まずは自分の知識やスキルを把握しましょう。自分にどのスキルがあり、どのスキルが足りないのかを把握することで、これからどのような方向に進むのが良さそうか、目指す方向に進むためには何が足りないのかが分かります。

自身のスキルをしっかり把握しておかないと、進む方向が分からなくなってしまったり、やみくもに勉強をした結果目標とするスキルが身についていなかったりしてしまいます。
まずは自分のスキルについてしっかりと把握をしましょう。

将来像から、必要なスキルを整理する

自分のスキルを整理したら、それを元に将来像を考えましょう、整理したスキルを元に自分の進むキャリアが見えていると思います。そこから逆算し、必要なスキルを整理しましょう。
スペシャリスト、ゼネラリスト等の大きな括りだけでなく、プロジェクトマネージャー、セキュリティエンジニアなど具体的に思い描きましょう。
例えばセキュリティエンジニアを目指すのであれば、セキュリティに関する知識や資格が自分にあるのか、を考えれば必要となるスキルも考えやすいと思います。

現在の仕事ですぐに必要となる経験を積めないケースもあると思います。その場合は、スキルの証明として資格取得をするのも良いでしょう。

業界のトレンドを追う

IT業界は日々発展し続けています。そのため、新たな技術やプラットフォームの開発によりトレンドが変わることもあります。常に最新の情報やトレンドを掴むことが大事です。
ここ数年でクラウドが大きく発展をしたように、新たな技術の開発が進み新たな分野への扉が開けることもあれば、目指すキャリアのためには新たなスキルが必要となることもあります。
「市場で求められているスキル」のアンテナを張り、理解して身につけられると良いでしょう。

ネットワークエンジニアの年収について

最後に、ネットワークエンジニアとしてキャリアを積むうえで重視するポイントの一つである年収について解説いたします。

転職サービスdoda(https://doda.jp/guide/heikin/)の調査によると、ネットワークエンジニアの平均年収は、436万円です。

年代別の平均年収は以下のようになっています。

20代  363万円
30代  504万円
40代  655万円
50代~ 716万円

20代は「運用・保守」業務が中心となりますので300万円~400万円ですが、「設計・構築」フェーズまで一通りできるようになる30代以降は平均年収が500万円以上となります。
もちろんここのスキルや企業により異なりますが、ネットワークエンジニアは自分が頑張った結果がしっかりと給与に反映される職種だといえます。
希望する年収、目標とする年収もあると思います。それらがモチベーションアップに繋がることもあります。しかし、そこだけにとわられず自分らしく働ける場所を見つけ、自分自身に誇れる技術力を磨いていきましょう。

詳しくはこちらの記事にまとめておりますので、年収について知りたい方はこちらをご確認ください。
ネットワークエンジニアの平均年収は?将来性はある?

まとめ

ネットワークエンジニアのキャリアパスについて解説しました。
IT業界は新たな技術等の開発が進んでいるので、取り残されないようにトレンドの把握やそれに合わせたスキル・知識の習得を継続的にしていきましょう。
また、自分の目指すキャリアパスを整理していくと、資格などを取得しても今の職場では目指すポジションになれないこともあるかもしれません。その場合は転職やフリーランスとして仕事を探していくのもいいでしょう。

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